矢巾に木質バイオマス発電所 7月着工、2026年稼働予定

 

 盛岡市の古里FICエネルギー合同会社(代表社員・古里木材物流)は、矢巾町煙山に木質バイオマス発電所を建設する。7月に着工し、2026年1月の稼働を予定。県内の山林に放置されている未利用間伐材などを燃料とし、循環型林業の実現や防災力の向上、雇用の創出を目指す。

 発電所は町ゲートボール場東側の農地を転用して建設する。敷地面積は4600平方メートル。燃料は県内で伐採された後に山林に放置されたままの林地残材などを活用した木質チップで、年間3万1千トンの使用を見込む。発電出力は1990キロワット。年間の想定発電量は1450万キロワット時で、一般家庭約5千世帯分に相当する。固定価格買い取り制度(FIT)で東北電力に売電する。

 地元雇用は10人程度を見込む。木質チップへの加工は、隣接地に工場を建設して行うか、他の既存施設を活用するか今後検討する。同社によると、町内での木質バイオマス発電所建設は初めて。県によると、発電出力千キロワット以上の木質バイオマス発電所は県内5カ所で稼働している。

© 株式会社岩手日報社