岩手県内のリンゴ、2割が凍霜害 開花早まり低温直撃

リンゴの木を確認する高野豪園主。凍霜害で中心花に実がならず、摘むべき花に実をつけて対応する=奥州市江刺愛宕

 岩手県内の2023年産リンゴが観測史上最も早い開花となり、全栽培面積の約2割で凍霜害を受けたことが県の調査で分かった。寒さに弱い開花期に低温が重なったことで、高品質になりやすい中心花の結実率が下がった。品質低下と生産者の減収は避けられず、県や農協は支援を検討する方向だ。

 県内有数の生産地、奥州市江刺愛宕。8.5ヘクタールを管理する紅果園の高野豪園主(51)は「被害が大きかった21年産を上回る地点もある」と肩を落とす。中心花のめしべが枯れ、実ができない分、本来なら摘むべき花にも実をつけて対応している。

 県によると、今春は気温の高い日が続いた影響で開花が1982年の調査開始以降最も早い4月21日(県平均)となった。例年より2週間も早い。一方で開花から満開期となる同25日に、内陸で生育に支障を来す氷点下1.5度を下回った。

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