26日、愛媛県松前町内の集合住宅の一室に、飼っていたネコ16匹を閉じ込め殺したとして、32歳の女が警察に逮捕されました。浮かび上がってきたのは「多頭飼育崩壊」の可能性です。
動物愛護法違反の疑いで逮捕されたのは、本籍が松山市で住所不定の無職・角井理沙容疑者(32)です。
警察によりますと、角井容疑者は松前町内の集合住宅の一室で、飼っていたネコ16匹を排泄物が堆積するなど不衛生な環境のまま閉じ込めた上、水やエサを与えず殺した疑いが持たれています。
今月9日「窓にハエがたかっている部屋がある」と相談を受けた不動産会社が警察に通報し、事件が発覚しました。
近所の住人
「そんなにたくさん居るとは知らなかった。最近はほとんど家に帰って来ていない」
現場の部屋からはネコ2匹が保護されましたが、このうち1匹は預けられた動物病院で死んだということです。
長年、動物愛護に取り組んできた、認定NPO法人えひめイヌ・ネコの会の高岸ちはり代表は、次のように話します。
「気付かないだけで、愛媛県内、日本全国でいっぱいあると思う」
ペットのイヌやネコが想定を超えて繁殖し飼育放棄に至る多頭飼育崩壊、この1年間に高岸さんは、県内で6件確認したといいます。
「一般の人はびっくりして家の中に入れないと思う、汚すぎて。臭いが、目にしみるような、目が痛いような臭い」
その原因は…
「多分、最初はかわいいからと1匹飼うようになり、後先考えずに保護したり、拾ったり。こういう事態を止めたいので、相談してほしい」
そして、飼育放棄は進行形の課題で、明るみに出ているのは氷山の一角だとして、周囲が積極的に関わる体制づくりが重要だと指摘します。
「動物愛護団体と福祉関係者、動物に関係する行政担当者の3者が話し合い、問題解決を進めなければ、多頭飼育崩壊が至る所で起こると思います」
警察の調べに容疑を認めているという角井容疑者は、28日送検され、捜査が本格化します。
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