「正直、めっちゃうれしい」全国屈指の強豪高校バスケ部が“推し活アプリ” 「投げ銭」で遠征費の足しに

「推し活」に「投げ銭」…まるでアイドルみたいな話が高校の部活動にも押し寄せてきています。全国屈指の強豪校、藤枝明誠高校(静岡県藤枝市)の男子バスケットボール部が収益化などを目的にチームの公式アプリを立ち上げました。なぜ、学生スポーツでこんな動きが?そこには強豪校ならではの悩みがありました。

19度の全国大会出場を誇る強豪校、藤枝明誠高校の男子バスケットボール部。約1か月後に控えるインターハイに向け、練習にも熱が入ります。

練習の終盤に行われた紅白戦、コートの外を見ると何やらマネージャーがタブレットを操作しています。

<藤枝明誠高校男子バスケ部 今福彩奈マネージャー>

Qこれはいま何を打っているのか?

「得点の状況だったり、どっちが勝っているのかという試合の速報をしている」

試合状況をリアルタイムで確認できる藤枝明誠高校男子バスケ部のチームの公式アプリなんです。この春にリリースしたばかりで、公式戦を中心に試合予定や速報を見ることができるこのアプリ。選手の個別ページには、プロフィールや人柄が分かるような情報が盛りだくさんです。

試合中に応援メッセージを送ることができるコメント機能もついていて、ファンにとっては推し選手を応援できる「推し活」が可能です。

メッセージを見た選手の反応は…

<藤枝明誠高校男子バスケ部 小澤朋樹主将>

「正直、めっちゃうれしいです。(アプリを通して)自分もそうですけど、明誠をもっと全国に知らせていきたいなと思う」

さらに、このアプリには、学生スポーツでは珍しい「投げ銭」機能がついています。「投げ銭」とは、アプリのユーザーがオンライン上で送金できるシステムで、このアプリではチームへのサポート金として、最低500円から送ることができます。藤枝明誠男子バスケ部では、この2か月ほどで1万円の投げ銭を集めました。

しかし、なぜ、高校の部活が推し活を取り込もうとしているのか。背景にあるのは、スポーツ強豪校ならではの悩みです。

<藤枝明誠高校男子バスケットボール部 金本鷹監督>

「1つは、活動資金を増やしたいというのがあった。遠征費だったり練習試合を組むたびにお金が発生してしまう」

全国大会に出続ける部活は、移動費や宿泊費などがかさむことになり、学校や生徒の家庭への負担は相当なものになります。その費用を少しでも補填したいというのが学校側の考えです。さらに、“推し活アプリ”には、こんな効果もありました。

<藤枝明誠高校男子バスケットボール部 金本鷹監督>

「特にウチは、県外から来ている生徒も多いので、なかなか試合を観る機会が少ない親御さんもいるのでそういった方や、チームを応援してくれる方に試合を観てもらえるように」

部員50人のうち、34人が静岡県外出身者ということもあり、ゆくゆくは動画のライブ配信機能も導入予定ということです。

今年も全国大会出場、そして頂点を目指す藤枝明誠男子バスケ部。デジタルの活用で資金面でのバックアップ、そして新たなファンの獲得も目指しています。

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