水害多発地、火災保険料高く 大槌、岩泉、普代は最高リスク

 

 損害保険各社でつくる損害保険料率算出機構は28日、住宅向け火災保険の制度改定を発表した。台風や豪雨による水害リスクを市区町村別に5段階で評価し、多発する恐れがある地域ほど保険料を高くする。保険料を決める際の目安となる「参考純率」は全国平均で13%引き上げた。岩手県は大槌、岩泉、普代の3町村のリスクが最も高く、上げ幅は最大で26.3%となった。

 損保各社は制度改定を含め2024年度中に適用する見通しだ。火事だけでなく水災や風災など幅広い損害を補償する火災保険は、台風や豪雨災害の多発や激甚化で値上げが続いている。水害補償と呼ばれる部分の保険料はこれまで全国一律で負担を求めてきたが、高台などに住む契約者の納得感が得られにくくなっており、是正する必要があると判断した。

 ハザードマップなどを参考に、水害補償部分を危険性の低い順に1等地~5等地に細分化した。全国約1700市区町村のうち、1等地に分類されたのは2割、2等地が4割、3等地が2割、4等地が1割、5等地が1割。水害以外の補償も含む全体で見ると、5等地の火災保険料は1等地の約1.2倍となる。

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