ボーナスの使い方で気をつけるべきNG行動は? 賢い使い方の秘訣は「4:3:2:1」の比率

ボーナスシーズン到来ですね。ボーナスをもらったら何に使おうかワクワクしている人も多いことでしょう。でも、お金の貯まらない人はボーナスでやらない方が良い行動をとっている傾向にあります。そこで、今回はボーナスの使い方で気をつけるべきNG行動とお金を貯めている人が実践しているボーナスの賢い使い方についてお話します。


高金利預金をうたう商品に飛びつくのはNG

今の時期は、様々な媒体でボーナスの使い道を調査している記事をよく見かけますが、ボーナスの使い道で一番多い回答が「貯蓄」です。先行き不透明な今の時代、将来に備えて貯蓄をしようという人が多いのは頷けます。

とはいえ、銀行の普通預金にお金を預けていてもほとんど増えないので、少しでも金利が高いお得な商品に預けたいと思っている人も少なくないはず。銀行のホームページをのぞいて見ると、目に留まるのが「高金利預金」をうたう商品です。一般的に高い金利の定期預金は、円定期預金に投資信託や外貨預金がセットになった商品となっています。

実際の購入例を見てみましょう。セット商品は、円定期預金に加えて、投資信託や外貨預金などを同時に申し込むのですが、配分は、円定期預金は総額の50%以下、投資信託は総額の50%以上となっているケースがほとんどです。

仮に投資信託と定期預金のセット商品に200万円預けるとします。配分は、定期預金に100万円、投資信託に100万円預けます。なお、定期預金の金利は3ヶ月のみ3%(年率)、投資信託の販売手数料3%、信託報酬2%とします。

定期預金に3ヶ月預けた場合の利子は、100万円×年3%×(3ヶ月÷12ヶ月)=7,500円。定期預金の利息には、20.315%の税金がかかりますので、実際に受け取ることができる利息は6,000円程度です。

一方、投資信託の手数料は、購入時に100万円×3%=3万円がかかります。さらに信託報酬2%は、投資信託を保有している間、継続的にかかります。最初の1年間で考えれば、単純計算で100万円×5%=5万円も手数料がかかるということです。つまり、100万円を定期預金に預けて6,000円も利息がもらえると喜んだのも束の間、購入時点での手数料を考えると、トータルでマイナスという結果になっているわけです。

セット商品の場合、投資信託は、あらかじめ銀行から提示された投資信託の中から選択しますが、手数料が高い投資信託がラインナップされている傾向にあります。投資信託の中には、つみたてNISAでラインナップされているような販売手数料がかからず、信託報酬も低い投資信託がたくさんあるので、そちらを利用した方が効率よくお金を増やすことができます。

少しでもお得な商品に預けたいと思うのは自然な感情だと思いますが、商品の中身をきちんと理解してから購入することが大切です。

ボーナスのほとんどを自分へのご褒美に使うのはNG

貯蓄に続いてボーナスの使い道で多いのが「自分へのご褒美」です。ボーナスが出たら自分へのご褒美として、旅行をしたり、ブランド物を買ったり、新製品の家電を買ったりと、普段行けない旅行や普段買えないモノに使ってしまいたい気持ちはとてもよくわかります。自分にとって価値があるものにお金を使うこと自体は、人生の充実度が上がるので、決して悪いことではありません。

ただし、ボーナスをほとんど、自分へのご褒美に使っているとしたらそれはNGです。将来への備えもしっかりしつつ、自分へのご褒美にも使うといった具合にメリハリをつけることが大切です。

ボーナスの使い方における基本的な考え方は 「使えるお金」と「将来のために使う・貯めるお金」の2つにわけておくこと です。

「使えるお金」とは病気・ケガ、冠婚葬祭など、もしもの時のお金や自分の趣味、ご褒美など1年以内に使っても良いお金です。「将来のために使う・貯めるお金」については、スキルアップ、健康増進や人脈形成などの自分の将来のために使うお金、結婚資金、住宅資金、教育資金などの将来の大きな支出に備えるためのお金です。

ボーナスの配分は「4:3:2:1」がおすすめ

ボーナスを将来に備えてしっかりとお金を貯めつつ、自分へのご褒美にも使うには、先にボーナスの使い方を決め、お金を仕分けておくことが大切です。

おすすめの仕分けは、「貯蓄」、「自分へのご褒美」、「自己投資」、「金融資産への投資」 です。

病気やケガなど、もしもの時や夢、目標を叶えるためにも貯蓄は必要です。自分へのご褒美は、心が満たされますし、ストレス解消にもなりますね。自分自身へ投資することもとても大切です。スキルを磨く、本を読む、資格を取得するなどして自分の価値が高まると、仕事や人脈が増え稼げるようになります。貯蓄も大切ですが、投資をすることでお金が増えるスピードが加速します。投資は長く続けることで複利効果が得られるので、なるべく早くスタートしましょう。

ボーナスの使い道を仕分けたら、それぞれにボーナスを配分しますが、おすすめの比率は「4・3・2・1」です。内訳は、以下の通り。

貯蓄:自分へのご褒美:自己投資:金融資産への投資=4:3:2:1

ボーナスの4割は定期預貯金や普通預貯金など貯蓄に配分し、3割は自分へのご褒美として配分、2割は自己投資として配分、1割は金融資産への投資として配分するという具合です。例えば、ボーナスが50万円もらえた場合、20万円は貯蓄し、自分のご褒美には15万円、将来の自分のために自己投資には10万円、金融資産への投資は5万円になります。

「4:3:2:1」の比率はあくまでも目安なので、例えば、普段から自己投資にお金をかけていて、金融資産への投資をあまりやっていない方は、自己投資への割合を減らし、金融資産への割合を増やすなど、自分の状況に合わせて調整すると良いでしょう。ただし、お金を確実に貯めていくためには、貯蓄に配分する割合は、ボーナスの4~5割は確保したいところです。

こうして仕分けたボーナスのうち、貯蓄分と金融資産への投資分は、毎月の給与と同じく、先取りで貯蓄用口座に移します。財形貯蓄や銀行の自動積立定期預金を利用している人は、ボーナス月に増額設定もできます。自分へのご褒美分と自己投資分は、生活費口座に残し、必要に応じて使いましょう。自分へのご褒美分は無理に使うことはないので、余ったら貯蓄や自己投資に回してOKです。

普段の相談でもボーナスの有効な使い方について聞かれる機会が多くありますが、ボーナスは、あらかじめ使い道を決めて、配分するのがポイントです。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

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