神戸市教育委員会は29日、学校規模の適正化や老朽化対策についての基本方針を策定したと発表した。市教委が定義する小規模校(小学校11学級以下、中学校8学級以下)を対象に、校区の変更や学校の統合などの対策を講じるほか、施設の大規模改修工事を引き続き行う計画を盛り込んだ。(大橋凜太郎)
市立小学校の児童数は1981年度の13万3077人をピークに減少。2022年度は7万2424人まで落ち込んでいる。中学校の生徒数も同じ傾向で同年度は3万3998人。市教委が定める適正規模(小学校12~24学級、中学校9~18学級)を下回る小規模校は、1992年度からの30年間で、小学校は24校増の54校、中学校は13校増の19校で、今後さらに拡大すると推計される。
市教委は小規模校の課題として、集団の中で多様な考え方に触れる機会が少ない▽クラス替えが困難で人間関係が固定化しやすい▽一人の教員の負担が重くなりやすい-といったデメリットを上げ、一定の児童・生徒数の規模が必要とし、小規模校対策を講じる方針。
具体的には隣接する校区の境界変更、学校統合、義務教育学校への移行が挙げられている。また通学距離や通学路の安全性の問題があって統合が難しい場合は、学校間交流も示されている。
一方、大規模校も校区変更や改修、増築などを検討。秋以降に順次、学校運営協議会などで現状や課題を共有し、各校で具体的な方法を議論していくという。
また、8割が築年数25年を超えている学校施設については、外壁や内装改修、バリアフリー化などを継続していくとした。
小規模校で全学年が単学級か複式学級になっているのは次の通り(小学校6学級以下、中学校3学級以下)。
【小学校】灘区 六甲山▽北区 君影、桜の宮、山田、藍那、有馬、道場、八多、大沢、好徳、淡河▽長田区 名倉、室内、御蔵、真野▽須磨区 竜が台、松尾▽垂水区 つつじが丘、多聞台▽西区 太山寺、櫨谷、平野、高和、押部谷、月が丘、神出
【中学校】北区 桜の宮、八多、大沢、淡河▽西区 神出