システムファイブ主催「全国DJI販売ディーラー感謝の会」から見える産業ドローン市場の活況

産業ドローン分野が活況だ。コンシューマードローンで始まったドローンの世界だが、今や産業ドローンがビジネスの中心となっている。その活況ぶりが窺える場面に今回は足を踏み入れてみた。 DJIの大手代理店であるシステムファイブが、産業用ドローン代理店を招いて感謝イベント「全国DJIディーラー感謝の会」をニューオータニ幕張で開催した。全国から多くのDJIディーラーが幕張に集結した。そのイベントの模様をお届けしよう。

産業用ドローンはすでに実用段階。それを推し進めるDJIと各社

まずは、システムファイブ代表取締役社長の河野雅一氏より代理店関係者へ感謝の意とドラスティックに変化するドローン業界をなぞらえながらコメントした。

システムファイブは、DJIエンタープライズのディストリビューションだけではありません。皆様のドローンビジネスが、うまくいくように、裏方として引き続き邁進させていただければと思います。皆様に様々なご支援をできるようにDJI社とともに進んで行きたいと思っています。 日本において、産業ドローン元年と言われたのは2015年です。当時「ドローン」という言葉が、メディアでもトレンドとなりましたが、今は落ち着いています。これから本格的な社会実装が始まるタイミングです。 つまりビジネスを展開するために、非常に大事な時期と言えます。ビジネスを成立させるために、投資をし、人の教育をし、早く実績を積み、知見を得、有望な市場をいち早く押さえていくことが非常に大切です。 DJI社は、産業用ドローン製品分野に非常に注力されています。我々も活用させていただきながら、新しいドローンビジネスを展開したいと思います。 皆さんがドローンビジネスを展開する上で、さまざまな商品が必要かと思います。我々システムファイブは、30年以上放送映像業界に携わり、必要な商品5万点以上を扱っていますので、そのほとんどを供給可能です。皆さんのドローンビジネスが花開くように、DJI JAPANさんとともに一緒に、ご協力をさせていただければと思います。

DJIを支えるシステムファイブの活躍

続いて、ゲストとして、DJI JAPANの呉社長が登壇し、以下のようにコメントした。

本日このような素晴らしい会を主催していただき、ありがとうございます。DJ JAPAN設立10年、節目の年となります。河野社長と実際お会いしたのは9年前で、DJI JAPAN発足時でした。 当時は、まだPhontomが主力製品の時代で、その後にInspireやRONINなど映像業界向け製品を開発しました。映像業界に精通したシステムファイブは、DJI製品を映像業界に拡げた恩人でもあります。 近年は、産業用M300をリリースし、システムファイブが産業分野を展開し、市場を拡大してくれました。日本に置いては、現在、DJI産業分野での販売はトップの位置にいます。 この場を借りて、パートナー企業の皆さんに感謝をさせていただきたいと思います。 今日、ドローンは既に不可欠なツールです。DJIはメーカーとして革新的なドローンを提供して参りますので、ぜひ今後ともご協力のほどよろしくお願いします。

またDJI本社産業開発兼セールスマーケティングのDavid氏からビデオメッセージが寄せられた。DJIは、日本の市場を非常に重要に考えており、DJI製品の成長は、代理店そして長きパートナーであるシステムファイブの尽力であると感謝の意を述べ、さらに新製品の投入も行っていくとした。

最新産業用ドローン市場の状況

DJI JAPAN株式会社、エンタープライズ事業部マネージャー、李珊珊氏から感謝の言葉とともにDJIエンタープエンタープライズの活況ぶりを表すプレゼンテーションが行われた。

私の方から最新産業用ドローン市場の状況についてご紹介します。 産業用ドローンの利活用といえば、「土木測量」、「空撮」、そして「点検」など細分化しています。日本においては、特に建設業、林業などが成長分野です。 ドローンソリューションが、どのように進化したのか?2016年以前、以降に大別されます。ホビー向けドローン用途から2016年以降産業用ドローンが求められてきました。2020年、DJIでは、フラッグシップ機であるM300 RTKを発表し、防塵防滴、長距離飛行が可能になりました。さらにペイロード拡張で、LiDARや高解像度カメラなど搭載可能になり、さまざまな分野で利活用が増えたことはいうまでもありません。

さらに完全自動点検ソリューションDJI DOCKが発表されたことも注目です。今後のトレンドは、グリッド管理になります。これは、情報の一元管理、またはエリアごと、分野ごとのデジタル管理のことを示します。 DJI独自の市場の成長の調査データでは、グローバルにおいてDJI産業用ドローン市場はこの5年間から10年間で、飛躍的に拡大しています。 DJIの産業用ドローンは3年間連続、出荷実績で成長しています。日本は、アメリカに続く、二番目のエンタープライズ市場になります。昨年は、為替の影響があったのにもかかわらず、日本では昨年比でも成長できました。 これも皆さんのおかげです。今年もさらに成長を目指します。特にシステムファイブさんとは、10年前に比べて2020年までの3年間は、産業用ドローンの取引規模は大幅に拡大しました。 現在、日本での産業ドローンの利活用状況において、土木建設測量はすでに半分以上超えております。今、皆様と進めているソリューションは主なターゲットとして、土木業、建築工事、土木工事などのコンサルも含めた業者様となります。 昨年、ある建設業団体のアンケートによりますと、すでに7割の会員さんがDJIのドローンが使用されているということでした。 今後の課題は、2つあります。1つは法改正に対しての認知、もう1つはオペレーターの育成になります。実際、各業界の共通課題でもあります。2020年以降、DJI JAPAN ENTERPRISEが民間ライセンスである、DJI CAMPのベースにENTETERPRISEに特化したプログラムを考え始めました。昨年からDJI JAPAN ENTERPRISEカリキュラム*を展開しました。 最後にドローンの産業での利活用は、まだまだ伸びている状況であります。これから販売に関して、人員体制、正規販売代理店さんの支援、それからスピーディーなソリューション提案が必要です。皆さんの事業と一緒に成長していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

システムファイブ二木氏の挨拶とともに、乾杯!となり、その後は、各ディーラーを労うAward各賞が発表された。

システムファイブの「2022年度のセールス部門」では、テラドローン株式会社」「株式会社FLIGHTS」「株式会社kiipl≉」が受賞した。 「昨対部門」では「株式会社空撮技研」「株式会社ハニービーワークス」が受賞。 さらに拡販貢献部門では「東洋エンジニア株式会社」と新分野開拓部門では、「KDDIスマートドローン株式会社」が受賞した。企業規模如何に問わず多くの企業が産業用ドローンに注力していることが窺える。

宴も酣、さらに盛り上がるドローンについて

その後、抽選会の会場は盛り上がった。最後は、システムファイブ副社長小川氏の言葉で締めくくられた。閉会後も立ち去る人は少なく、ドローンを話題に盛り上がっていたことが印象的だった。会場を見渡すとJapanDrone2023で見かける企業方々がほぼいるのではないかと思えた。ドローン業界で活躍されているまさにこの産業機分野の活況を実際に感じた瞬間だった。

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