最高裁判断、大統領「強く反対」 米大学の人種優遇「違憲」

ホワイトハウスで記者会見するバイデン大統領=29日、ワシントン(AP=共同)

 【ワシントン共同】米大学の入学選考で黒人などを優遇する積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)を巡り連邦最高裁は29日、憲法が定める「法の下の平等」に反するとして違憲だと判断した。米メディアによると、最高裁は1978年に合憲としていた。バイデン大統領は「数十年続いてきた判例を覆した。強く反対する」と演説し、教育省に対応措置を取るよう命じた。

 公民権運動が高まった60年代に多様性を確保するため導入された差別是正の措置が制限され、大学は選考方法の見直しを迫られる。同様の措置は政府や企業が職員を雇用する際に取り入れており、影響が広がりそうだ。

 違憲判断は、最高裁の9人の判事のうちロバーツ長官ら保守派6人による多数派意見だった。ロバーツ長官は大学が「能力ではなく、肌の色が基準になるとの誤った結論を下してきた。憲法はそのような選択を容認しない」と指摘。リベラル派のソトマイヨール判事は「長年の判例と大きな進展を後退させることになる」と懸念を示した。

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