佐世保空襲78年 「戦争もう二度と」 死没者追悼式、4年ぶりに一般参列

犠牲者の冥福を祈り、献花した参列者ら=佐世保市平瀬町、市民文化ホール

 1200人以上が犠牲になった佐世保空襲から78年。佐世保市内で29日、死没者追悼式があり、参列者は体験の継承と「戦争は二度とあってはならない」などと誓った。
 市主催。新型コロナウイルス感染拡大の影響で4年ぶりに一般参列者を招いて通常開催した。
 76人が参列し、午前10時のサイレンに合わせて黙とう。当時7歳だった道脇好實(よしみ)さん(85)=福岡市中央区=は、母や妹ら5人で防空壕(ごう)に避難したが、入り口に燃えた家がのしかかり、壕の中は「蒸し焼き」状態に。妹の律子さん=当時(3)=が犠牲になった。助け出された時「外は一面焼け野原だった」と振り返り、体験を語る苦しみもあるが「後世に伝えたい。(犠牲者への)追悼供養になれば」と話した。
 遺族らが献花し、市立祇園小6年生3人が千羽鶴を供えた。同祇園中3年の川久保小春さん(14)は「語り継ぐ意識を忘れず、平和な未来を築いていけるようにしたい」と決意を述べた。
 佐世保空襲は1945年6月29日未明に発生。米軍機が約千トンの焼夷(しょうい)弾を市街地に投下し、約6万人が被災した。

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