青森県政「ゼロから」一新 宮下新知事、就任会見で抱負

就任会見に臨む宮下知事=29日午後1時40分

 「いよいよ青森新時代の幕開け」-。29日に知事に就任した宮下宗一郎氏(44)は、記者会見などで県政運営への意気込みを語った。県民や県職員と対話を積み重ねて政策を立案し「真っ白なキャンバスに絵を描くように、ゼロから考えて新しい県政を進めたい」と力を込めた。

 幹部職員と向き合った庁議で宮下知事は「(28日に退任した)三村申吾知事は大変すばらしい個性のある方だが、私も私なりに特徴がある。それを見極めて、ぜひ私を大いに活用してほしい。宮下宗一郎を使って、各分野の発展につなげて」と要望した。

 戦後最年少の青森県知事となった立場から「私と同年代や、それ以下の若い職員にもチャンスを与えて、風通しのいい県庁を目指したい」とも語った。

 記者会見では冒頭のあいさつで「県民との対話を多く重ね、対話の中から新しい政策のヒントを得て、県政改革を進めていく」と自身のスタイルを説明した。

 「今は気負いも緊張感もなく、平常心。自分より職員の皆さんが緊張しているように感じる」とも。行政運営の手法に関しては「トップダウンとボトムアップの二項対立で考えるような時代じゃない。私も職員の皆さんも一人一人が県民。それぞれが抱えている課題をしっかりとぶつけ合う環境ができれば、いい政策ができる」と話し、県庁内部の関係性を大事にする考えを示した。

 記者からの質問に答えた後、「改革や変化には時間がかかる場面もあるかもしれない」と語った宮下知事。「新しい青森県政が何をしてくれるかだけでなく、一人一人の県民が青森新時代に何ができるかを考えることで改革が倍速、3倍速で進んでいく。一人一人が県政について考え始めたときに、新時代の扉が開く音が聞こえてくる」と話し、会見を締めくくった。

© 株式会社東奥日報社