白神山地・暗門の滝への遊歩道、7月1日開通 関係者ら安全を確認 青森県西目屋村

「暗門渓谷ルート」の復旧状況を視察する関係者ら=29日午前

 世界自然遺産、白神山地の景勝地・暗門の滝(青森県西目屋村)に向かう「暗門渓谷ルート」の7月1日開通に向けて、村や地元ガイド団体、環境省などの関係者が29日、現地を視察した。昨年夏の大雨で崩壊した歩道の復旧を確認し、第2の滝までの約2.4キロは1日から安全に通行できると判断。関係者は、今年の世界自然遺産登録30周年の関連イベントや観光ツアーに弾みがつくと期待を寄せた。

 暗門の滝は、白神山地の世界遺産緩衝地域にある三つの大きな滝の総称。手前から第3、2、1の滝で、入り口付近の観光施設「アクアグリーンビレッジANMON」近くから第2の滝までの遊歩道を村が整備している。

 第2から第1の滝までは歩道としての整備はなく、上級者向けの登山ルートとなっている。

 春先から本格化した復旧工事は、崩れた土砂を寄せ固めて歩道を直したり、新しく木製の橋板を置いたりした。村によると、好天の影響で雪解けが早く作業が順調に進んだ。

 この日、関係者は危険な場所がないか見回り、落石の危険がある場所に新たに看板を設置することなどを確認した。

 村によると、同ルートや周辺施設の復旧費は約4千万円で、うち700万円はクラウドファンディングで賄った。村産業課の山内啓太係長は「30周年のシーズンに間に合いほっとしている。たくさんの支援に感謝したい」と話した。

 同ルートでは過去に落石事故も発生しているため、村はヘルメットの着用を強く呼びかけている。ヘルメットは入り口近くで借りることができる。

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