GMO、「空の安全」をテーマにセキュリティの重要性をアピール。空飛ぶクルマ eVTOL「HEXA」やドローンハッキングデモ、VR体験を展示[Japan Drone 2023]

ドローンや空飛ぶクルマが社会実装していくにあたり、機体や通信の安全性の確保が課題となる。インターネットのサービスを総合的に展開するGMOインターネットグループでは、グループの強みを活かし、「空の安全」を実現するセキュリティ事業を行っている。インターネットを安心・安全に運用するために培った、暗号セキュリティとサイバーセキュリティ技術だ。

GMOグローバルサインは、暗号セキュリティ事業を展開し、悪意のある第三者による通信の傍受や正規のドローンになりすました不正アクセスに対するセキュリティとして、通信の暗号化と機体の認証を行っている。

GMOサイバーセキュリティ by イエラエは、ハッカーの手法を熟知したセキュリティエンジニアがドローンやeVTOLの機体自体に脆弱性がないか、通信経路に脆弱性がないか、クラウドに脆弱性がないかといった、脆弱性診断を行う。

担当者は、「通信は機体のように目に見えるものではないため、デモンストレーションを通してリスクを可視化している。GMOグループのセキュリティ事業の取り組みやセキュリティの大切さを知って欲しい」と話す。

空飛ぶクルマ、米国LIFT AIRCRAFT社製eVTOL「HEXA」を展示

LIFT AIRCRAFT社製 eVTOL「HEXA」の実機

ブースでひときわ目を引いていたのが、アメリカのLIFT AIRCRAFT社製 eVTOL「HEXA」の実物展示だ。今年3月14日、15日に大阪城公園で行われた有人飛行の実証実験で、実際に使用した機体だという。GMOインターネットグループ代表・熊谷正寿氏は、日本人で初めて「HEXA」の初級・操縦士証を取得し、3月14日の飛行でパイロットを務めた。GMOは、機体のセキュリティー関連で協力しているという。

会場で流れていた、LIFT AIRCRAFT 社のMatt Chasen CEOの解説の場面。初日の26日には、GMOブースのステージで登壇し講演を行った

会場では、実際に空飛ぶクルマ「HEXA」に触れ、操縦席に乗ることができるとあって、順番を待つ来場者の行列が途切れることがなかった。筆者も並んでみたところ、40分待ちとのことだった。

1人乗りの操縦席。アメリカでは、FAA(連邦航空局)のパワードウルトラライト(超軽量動力機)の分類に準拠しているため、パイロットライセンスは不要だという
画面はダミーだが、ディスプレイでカメラ映像が確認できる
ゲームのジョイスティックのような操縦桿。上部の黒いボタンは、左から離陸、中央が着陸、右がリターントゥホームボタン。中央部分が上昇下降
背面にあるのがラダーボタン
プロペラの下にあるのがバッテリーで、取り外しができる
機体の下部にある大型のフロートにより着水が可能

ホワイトハッカーによるドローンのハッキングデモ

併設ステージでは、GMOサイバーセキュリティ by イエラエの三村聡志氏が、ドローンに対するサイバー攻撃の手口や手法が理解できるホワイトハッカーによるドローンハッキングのデモンストレーションを行っていた。

GMOサイバーセキュリティ by イエラエの三村聡志氏

ドローンの操縦だけでなく通信を乗っ取ることも可能で、ホワイトハッカーがハッキング技術を用いてサイバー攻撃を再現することにより、リスクを可視化し、セキュリティ対策の重要性を伝える展示を行っていた。

空飛ぶクルマ「HEXA」シミュレーターでは、VRを用いた飛行体験が可能。多くの人で賑わっていた

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