「復興のシンボルに」土石流で被害の「走り湯」 復旧工事終え通湯式=静岡・熱海市

2021年7月、静岡県熱海市伊豆山の土石流災害で源泉の一部が被災した「走り湯」が復旧工事を終え、6月30日、工事の完了を祝う通湯式(つうとうしき)が行われました。

山の中から湧き出した湯が海岸に飛ぶように走り落ちる姿から名づけられた熱海市伊豆山の「走り湯」は、約1300年前に発見され、日本三大古泉として親しまれてきました。

しかし、2021年の土石流災害で伊豆山地区に100ある源泉のうち15の源泉が被害を受けました。

30日は温泉組合や地元の関係者が集まり、復旧工事の完了を祝う通湯式を行いました。被災した源泉の1つ「午(うま)の湯」は、7軒の旅館や公衆浴場に供給されていて、2022年8月に源泉を掘り替える工事を開始し、新たな機械室を整備するなどして、今週ようやく工事が完了しました。

新しい「午の湯」は、地下600メートルからくみ上げ、72℃の湯が毎分205リットル湧き出るということです。

<伊豆山走湯温泉組合 中島英雄組合長>

「苦労のかいあって復活した温泉を、復興のシンボルとして運営していければと思っている」

これまで休止していた足湯も8月から再開する予定だということです。

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