“いぶし銀”のアート167点 福井県坂井市で「シルバー福井美術展」7月2日まで

洋画や日本画、写真など各部門に個性ある作品が並ぶシルバー福井美術展=6月29日、福井県坂井市のハートピア春江

 60歳以上の福井県内在住者を対象にした公募展「第11回シルバー福井美術展」(同展実行委員会主催、福井新聞社共催)は6月29日、福井県坂井市のハートピア春江で始まった。個性と技の光る力作167点が並ぶ。7月2日まで。

 日本画、水墨画、洋画、書道、写真、工芸・彫刻の6部門に、93歳までの140人が出品した。28日に審査を行い、部門ごとに最高賞の県知事賞など計61点の入賞作品を選んだ。

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 知事賞に輝いたのは6点。写真部門の市村宣和さん=福井市=の「残秋」は、熟れきった柿、スローシャッターで捉えた水滴と水面の波紋、緑や赤の葉の構図が絶妙な作品。

 日本画の近藤英子さん=あわら市=の「春の訪れ」は、冬明けのしっとりとした土や白っぽいササの葉が、青々と芽吹くフキノトウを際立たせており、日本画らしい落ち着いた色合いが美しい。彫刻の西村英雄さん=福井市=の「愛」では、プラスチック素材「FRP」を使い親子を抽象的に表現。顔はないが、曲線や直線が作った形から表情が感じ取れるよう。

 表彰式は2日午後3時から会場で行われる。各部門の優秀作品の中から上位作が、来年10月に鳥取県で開かれる「ねんりんピック」に出品される。

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