三沢基地にグローバルホーク 3機体制完了

空自三沢基地へ着陸態勢に入るグローバルホーク=30日午前6時4分、三沢市三沢平畑

 航空自衛隊三沢基地(青森県三沢市)に配備予定だった大型無人偵察機「グローバルホーク」の最後の1機が30日朝、同基地に到着した。計画されていた3機体制が整った。日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、周辺で警戒監視活動を行うための本格的な運用が始まる。

 同日午前6時過ぎ、空自三沢基地の西側の空から機体が姿を現し、少しずつ高度を低下。低いエンジン音を鳴らし、滑走路へと降りていった。

 空自三沢基地には2022年3月に2機が配備され同年12月に飛行を開始している。同月には約80人が所属する運用部隊「偵察航空隊」が発足。3機の本格的な運用に合わせ、隊員を130人程度に増やす予定となっている。3機目の到着を受け、防衛省はツイッターに「グローバルホークは自衛隊、日米同盟国の情報収集や偵察能力の強化に大きく貢献する」などといったコメントを載せた。

 一方で28日、空自三沢基地では所属している最新鋭ステルス戦闘機F35A2機が機材の不具合により青森空港に緊急着陸。三沢基地周辺町内連合会の種市光雄会長は「国防の理念は分かるけれども、まず安全第一。住民の安全安心をしっかり守っていただきたい」と述べ、トラブルの防止を求めた。

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グローバルホーク 米ノースロップ・グラマン社が開発した主翼幅約40メートル、全長約15メートル、重さ約14.6トンの大型無人偵察機。パイロットは搭乗せず、地上からの遠隔操作で、民間機よりも高い高度1万5千メートル以上から画像や電子情報を収集できる。最長で約36時間飛行可能。攻撃機能はない。

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