規格外の長崎県産ビワなどを使ったかき氷を通して、廃棄される食材のおいしさをもっと知ってほしい-。雲仙市内にある創業100年以上の和菓子店「沖田製菓舗」と、青果加工も手がけるカフェ&ファーム「comorebi」(コモレビ)がコラボしたかき氷が1日から約2カ月間、同市愛野町甲の同店で提供される。
comorebiは、諫早市の訪問介護事業所「Happy Trail」(ハッピー トレイル)社長の山﨑道春さん(44)が昨年設立。形がふぞろいだったり小さな傷があったりするだけで、味は変わらないのに大量に廃棄される野菜や果物のことを知り「畑に隠れたフードロスを減らしたい」という思いから始めた。雲仙産のミニトマトやイチゴなど規格外の青果を仕入れ、ケチャップやジャムなどに加工、販売している。
同市千々石町の沖田製菓舗社長の沖田慎太郎さん(47)は毎夏、同町のカフェで食感がふわふわとしたかき氷を販売していた。沖田さんは、山﨑さんの取り組みに共感し、ケチャップやジャムとスイーツとの組み合わせを考えてコラボを提案。今年はcomorebiにかき氷機を持ち込み製作する。
店内メニューは、ケチャップ付きサブレ、トマトジャムを添えた県産ビワのコンポート、沖田製菓舗の塩ようかんなどのスイーツオードブルが付く「かき氷のデザートプレート」(1600円)。雲仙産「いちご」や「黒糖」、東彼杵産「抹茶」の3種類の中からかき氷のソースを一つ選ぶ。「スペシャルプレート」(2千円、限定30食)は、ビワ約10粒分のソースをたっぷりとかけて、瞬時に凍らせたミルクを専用機で糸状に削った「ピンス」をのせた。
どのソースも素材を生かした豊かな味わいが魅力。ケチャップなど塩気のあるスイーツと交互に食べることで多彩な味が楽しめる。
沖田さんは「このメニューを食べてもらい、ジャムなどのファンを増やすきっかけにしたい」。山﨑さんは「フードロス削減はもちろん、将来的に農業生産者の所得向上にも一役買えれば」と意気込む。
営業日時は1日~8月27日の午後1時~5時(オーダーは同4時まで)。火、水曜は休み。comorebi(電090.1198.2345)。
かき氷で規格外ビワをどうぞ 長崎・雲仙の店舗で1日から提供 和菓子店とコラボ
- Published
- 2023/07/01 12:00 (JST)
- Updated
- 2023/07/02 12:33 (JST)
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