地元・長与を愛する「ながよみかん娘」 マルシェや清掃、居場所づくり 地域活性化に奮闘

「長与を盛り上げたい」と語るながよみかん娘の(左から)末永さん、山辺さん、吉川さん=長与町岡郷

 「生まれ育った長与町を盛り上げたい」-。そんな共通の思いを胸に、長崎県西彼長与町の活性化のために奮闘している女性たちがいる。地元長与をこよなく愛する3人組。その名も「ながよみかん娘」。
 メンバーは、いずれも“長与大好きっ子”の山辺あゆみさん(39)、吉川麻衣さん(39)、末永麻世さん(33)。3人とも長与町で生まれ育ち、現在は同町を拠点にサロン、カードを使った悩み相談、パーソナルカラー診断と、別々の事業を営む。前に出て皆を引っ張るのが得意な山辺さんは「総監督」、好奇心旺盛で行動が早い吉川さんは「広報」、裏方に回り細かな気配りができる末永さんは「秘書」。それぞれが好きだったり得意だったりする分野に合わせた役職名を付け活動する。それが自分らしく輝くことができる秘訣(ひけつ)という。
 結成のきっかけは約2年前、山辺さんが長与の魅力を伝える動画を動画投稿サイト「ユーチューブ」で発信したこと。それを見た吉川さんと出会い、その後、共通の知人だった末永さんとも「長与のために何かしたい」と意気投合。町の活気が失われていた新型コロナウイルス禍の2021年9月、ながよみかん娘の活動が始まった。
 現在、町内外の誰もが参加できる活動として▽大小のマルシェ▽潮井崎公園海岸や長与川の清掃イベント▽子どもから大人までが自由に過ごせるみんなの居場所「きらり」-の三つを定期的に開催している。
 メンバーが無理なく長く活動を続けるためにも「これ」というルールは定めず、何かを始める基準は「面白そう」というひらめき。人が多く訪れる時もあればそうでない時もある。それでも来てくれた人の喜ぶ声や充実した表情から、「やってきたことに間違いはない」と確信する。
 周囲と協力する機会もだんだん増えてきた。5月には「ながよリトルペーロンフェスタ」の実行委員として前回大会から規模を拡大させ成功に導き、西そのぎ商工会とは広報面でのタイアップ事業も実施した。「初めの一歩を踏み出したことで、こんなに輪が広がるとは全く想像していなかった」と語る山辺さん。好きで始めた活動が周囲の人たちに認められてきた証しでもある。
 ながよみかん娘として活動し、改めて思うのは「やっぱり長与が好き」ということ。海、山、川と自然があり、長崎市にも近く住みやすい。そんなこの町をもっと知ってもらい、良くしたい。「地域活性化とは、イベントに何人来て盛り上がったとかではなく、そこにいる一人一人が個性を生かし、内面から輝くこと」。そう信じて、関わる人全員がもっと輝ける町になるよう、活動の輪を広げていきたいと考えている。

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