「ゴーという音。外は真っ白」突風の原因は 気象庁機動調査班が滋賀・近江八幡で聞き取り

彦根地方気象台

 滋賀県近江八幡市で28日に発生した突風について、彦根地方気象台は29日、いずれも積乱雲が原因で生じる「ダウンバースト」または「ガストフロント」の可能性が高いと発表した。同日、気象庁機動調査班が現地に派遣され、市職員が同行して被害状況を調べ、住民への聞き取りを実施した。

 彦根地方気象台によると、風速約35メートルと推定され、突風の強さの尺度で最も低い値だった。突風発生時に活発な積乱雲が付近を通過しており、突風が比較的短時間(1~10分程度)であったとの証言などから総合的に判断したという。

 この日、気象庁機動調査班4人が被害が確認されている近江八幡市馬淵町を中心に約1キロの範囲を歩き、住民らに「渦巻き状のものはあったか」「風はどれくらい続いたか」などと当時の状況を聞き取った。

 自宅の屋根瓦が落下する被害などがあった近くの女性(78)は「ゴーという音がした。外は真っ白になっていた」と話した。

 市によると、民家の窓ガラスが破損したり、広場の物置が飛んだりするなど、これまでに計27カ所で被害が確認されているという。

 突風は、28日午後4時10分ごろに発生したとみられ、当時は滋賀県全域に竜巻注意情報が出されていた。

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