●市、避難所12カ所開設
●能登、穴水で土砂崩れ
1日の石川県内は前線が北陸地方を南下した影響で前日から雨が降り続き、七尾で1時間に31.5ミリの激しい雨を観測した。七尾市では中島地区を流れる熊木川が氾濫した。住宅1棟が床下浸水し、市は13地区5814世帯1万4141人に避難指示を出し、12カ所に避難所を開設した。能登町や穴水町では斜面が崩れているのが見つかった。
金沢地方気象台は七尾市と能登町に土砂災害警戒情報を出し、警戒を呼び掛けた。気象台によると、6月27日午後7時から1日午前11時までの降水量は志賀187.0ミリ、七尾159ミリ、白山市白峰115.5ミリ、輪島市門前114.5ミリ、宝達志水102.0ミリ、珠洲81.5ミリなどとなった。珠洲市、輪島市、七尾市、白山市、能登町、穴水町、中能登町、志賀町に大雨警報、七尾市に洪水警報が出された。
七尾市で避難指示が出されたのは、中島、崎山、東湊、北大呑、田鶴浜、相馬、高階など。避難所には計9人が身を寄せた。市は洪水浸水想定区域の住民に早急な避難を求め、自宅が安全であれば無理に移動せず、在宅で安全を確保するよう防災無線やメールなどで呼び掛けた。
熊木川の加茂橋では、水位が氾濫危険水位の2.7メートルを超える3.22メートルを観測した。道路冠水で「なかじま猿田彦温泉いやしの湯」前の市道など複数箇所が通行止めとなった。
能登町柿生では、高さ約40メートルの住宅の裏山が幅約2メートルにわたって崩れた。
●道路、鉄道にも影響
穴水町では、山中の民家の裏山の一部が崩れたほか、川島の国道249号と梶の県道を倒木がふさいだ。
JR七尾線は羽咋―和倉温泉駅間が始発から運休している。のと鉄道も上下4本が運休し、他の列車も和倉温泉駅での折り返し運転となった。
●2日は晴れ
金沢地方気象台によると、2日正午まで予想される24時間降水量は加賀地方50ミリ、能登地方50ミリで、河川の増水や土砂災害に警戒するよう呼び掛けている。2日は高気圧に覆われて晴れる。