水のアーチ、虹架かる 黒部ダムで観光放水

虹の架かる豪快な放水と残雪の山の景色を楽しむ観光客=立山町の黒部ダム

 完成から60年の節目を迎えた黒部ダム(立山町芦峅寺)で26日、北アルプスの夏の風物詩である観光放水が始まった。日本一の高さを誇る186メートルの壁面から毎秒15トンの水がごう音とともに吹き出し、立ちこめる水しぶきに虹の架かる光景を観光客が写真に収めた。

 観光放水は1961(昭和36)年のダム運用開始から毎年、下流の黒部川の景観維持を目的として実施。放水は10月15日まで毎日、朝から夕方に行われる。

 家族5人で初めて訪れた愛知県愛西市の会社員伊藤敦範さん(38)は「生で見ると迫力がある。残雪の山も美しい」と満足そうに話し、長女心海さん(11)も「白いドレスみたいできれい」と声を弾ませた。

 26日の富山県内は高気圧に覆われて晴れ、午後から気圧の谷の影響を受け曇りとなった。最高気温は富山市秋ケ島(富山空港)31.7度、南砺高宮31度など全10観測地点のうち6地点で30度以上の真夏日を観測。魚津市29.9度、朝日町29.7度はいずれも今年最高を記録した。

 県内消防機関によると、計2人が熱中症の疑いで病院に搬送された。朝日町の30代男性は中等症、小矢部市の70代男性は軽症とみられる。

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