白岩川堤防3カ所決壊 富山県内豪雨 立山で住宅浸水11軒

 立山町、上市町と富山市山間部を襲った記録的豪雨から一夜明けた29日、立山町の白岩川沿岸を中心に被害が次々と明らかになった。富山県や同町の午後3時時点のまとめでは白岩川の堤防3カ所が決壊し、住宅の浸水11軒、水田など農地約24ヘクタールの冠水を確認した。河川の護岸や橋、道路などの損壊も相次いだ。

 県防災・危機管理課によると、白岩川の護岸損壊は立山、上市町で13カ所。床上浸水は立山町日中で1軒、床下浸水は同町日中、下白岩、四谷尾、栃津、横江で計10軒を数えた。農地の冠水は水稲23.7ヘクタール、ハトムギ0.3ヘクタール。人的被害の情報は入っていない。

 立山町は29日、災害対策本部会議を開き、町内の被災状況を報告した。農地施設19カ所、林道33カ所で土砂災害や浸水などの被害があり、町道5路線、橋2カ所が破損。町道と県道各3路線が通行止めとなった。

 富山市によると、大山地域の岡田地区で市道ののり面崩落と、県道沿いの休息施設「岡田休憩所」の駐車場に土砂が流入する被害が確認された。

 立山、上市町と富山市の計19地区の793世帯、1932人に避難指示が出されたが、全て解除された。

 28日に線路への土砂流入で運転を見合わせた富山地鉄立山線岩峅寺―立山駅間は29日正午から運転を再開した。JR高山線は29日、岐阜県内の停電の影響で特急ひだ1本を運休し、約200人に影響した。

  ●30日から大雨

 富山地方気象台によると、30日から7月1日にかけ、前線を伴った低気圧の影響で、富山県内は大気の状態が不安定になり、大雨の見通し。30日は1時間に30ミリ以上の激しい雨の降る所があり、24時間降水量は多い所で同日午後6時までに180ミリ、1日午後6時までに100~150ミリを予想。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に注意、警戒を呼び掛けている。

 立山町は29日、白岩区域対象の避難所を上東地域活性化センターに開設した。

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