「春蚕」の繭737キロ群馬へ 那須塩原・那須の農家4軒が出荷

繭の状態を確認する養蚕農家たち

 【那須塩原】市と那須町の養蚕農家が1日、春にふ化した蚕の繭「春蚕(はるご)」の出荷作業を太夫塚3丁目のJAなすの塩那野菜集出荷所で行い、群馬県の製糸工場へ737キロを出荷した。

 約50年前には同JA管内に100軒以上の養蚕農家がいたが、絹製品の需要低下に伴い、現在では4軒のみとなっている。

 繭の出荷は6~10月下旬の間に計5回行われる。特に春蚕は、蚕の餌になる桑の葉が新芽であることから、1年で最も良質な繭になる。

 同JA養蚕部会によると、この日出荷した繭は、蚕の病気が少なく高い品質という。一方、桑が霜の影響を受け、出荷量は昨年の950キロを下回った。

 午前6時から各農家の8人が、それぞれ持ち寄った繭を選別台に乗せ、手作業で汚れや穴が空いていないかを確認した。

 同部会の竹内一夫(たけうちかずお)部会長(74)は「例年よりも質のいい繭ができ、やりがいがあった」と満足そうに話した。

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