ミニSL復活 城北公園(青森県弘前市)20年ぶり運行 本物さながらの煙と汽笛

煙を吐き出す本物さながらのミニ蒸気機関車を楽しむ園児たち

 SLのロマン再び-。青森県弘前市の城北公園交通広場名物のミニ鉄道に、市民に長年愛されてきたミニ蒸気機関車が20年ぶりに復活した。6月29日、市内の保育園児が試乗し、煙を吐き出す本物さながらの運行に歓声を上げた。

 試乗会では、ミニ蒸気機関車が大きな汽笛音とともに出発し、全長320メートルの線路を約3分かけて1周した。

 ミニ蒸気機関車は東京の鉄道ファンが自作。市制施行90周年に当たる1979年から、交通安全教育の一環として運行を始めた。部品の調達が難しくなり、2003年に運行を取りやめた。

 同年以降、広場の倉庫に保管していたが「広場を弘前の一大観光地に」との思いから桜田宏市長が運行再開を発案。ミニ蒸気機関車を運行する弘前交通安全教育協会に所属する国鉄OBらが自発的に協力し、試行錯誤の末、1カ月かけて修復した。

 現在同広場で飾られている蒸気機関車「D51」の10分の1の大きさで、実物と同じ部品を使っている。以前は石炭で動いていたが、今回は環境に優しいとされる電気で走らせた。

 試乗した「ら.ら.ら.保育園」の小田桐蒼ちゃん(5)は「車輪が本物のように動いていて楽しかった」、大塚環(たまき)ちゃん(5)は「すごく速くて気持ち良かった」と笑顔だった。

 代替部品がなく頻繁な運行は困難なため、7月22日の1日限定で一般向けの乗車イベントを行う。

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