「カコキタ」復権へ母校の監督に 08年に初の甲子園出場の岩崎さん 兵庫大会「まずは1勝を」

今春から加古川北高監督に就任したOBの岩崎誠司さん=加古川市野口町水足、加古川北高校

 「カコキタ」復権へ挑戦-。2008年、夏の高校野球西兵庫大会を制し、加古川市内の学校として初の甲子園出場を果たした加古川北高。当時の2年生エースで、躍進の立役者となった同校OB岩崎誠司さんが今春、野球部監督に就任した。兵庫大会の初戦を前に、31歳の青年監督は「いつかは母校に戻って指揮を執りたかった。まずは1勝を」と力を込める。(宮崎真彦)

 岩崎さんは高砂市出身。08年の全国高校野球選手権は第90回の記念大会。兵庫大会は東西に分かれて開催された。岩崎さんは、西兵庫大会で準々決勝から決勝までの3試合全てを完投した。甲子園での初戦、聖光学院(福島県)戦では2番手で登板。6回3失点の力投を見せたが、チームは敗れた。

 天理大を卒業後、母校での非常勤講師、神戸甲北高野球部監督などを経て、昨年までは飾磨工高で勤務した。同校では、多部制3部(夜間)軟式野球部で監督を務めたほか、硬式野球部でコーチを務め、22年のドラフト会議で福岡ソフトバンクホークスから育成5位指名を受けた岡植純平投手を指導した。

 母校では、保健体育の教諭で1年生の担任を受け持つ。久々に練習グラウンドに戻って感じたのが環境の良さだという。「共用とはいえ広々として、整った設備。僕らはぜいたくさせてもらえてた」といい、「今の生徒らは元気がいい。運動能力の高い子も多い」と改めて東播地域の野球レベルの高さも実感したという。

 練習では、選手目線を意識し、自身の経験も踏まえてトレーニング方法を実演する。初采配となった今春は、地区大会の代表決定戦で明石清水高に敗れ、県大会進出はならなかった。

 夏の兵庫大会は近年、1回戦、2回戦の敗退が続く。「(加古川北で)勝つ喜びを知れたからこそ今がある。生徒たちにもそういった思いをさせたい」と語る。エースナンバーを引き継ぐ身長185センチの右腕須原翔琉(かける)投手(17)=3年=は「自分の最大限の力を出し、テンポの良い投球で勝ちにつなげたい」と話す。

 初戦は9日、淡路佐野運動公園野球場(淡路市)で長田高と対戦する予定。

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