弘前ねぷた本番へムード上昇

ねぷた囃子に合わせ太鼓をたたく園児ら
木組みの扇ねぷたを組み立てていく茂森新町ねぷた同好会のメンバーたち

 弘前ねぷたまつり(8月1~7日)の開幕1カ月を切った2日、青森県弘前市の中心市街地で子どもたちによるねぷた運行が行われたほか、合同運行に参加する団体の準備が着々と進んだ。夏本番に向けて、盛り上げムードが高まっている。

▼養生幼稚園 元気に運行

 弘前市の養生幼稚園(齊藤弘子園長)は、恒例のねぷた運行を行った。園児たちの元気な「ヤーヤドー」のかけ声と太鼓の音が街に響いた。

 年長組が伝統ねぷた囃子(ばやし)津軽組のメンバーの囃子に合わせ練習を重ねた太鼓を披露。年中組が小型ねぷたを、年少組は保護者と一緒にねぷた絵師の三浦呑龍さんが作った扇ねぷたを引いてかけ声を上げた。ゴールの市民広場の目前では疲れたのか泣き出す園児もいたが、全員でやりきった。

 同園のねぷた運行は今年で74回目。園児62人を含め保護者や卒園生など約80人が運行に参加し、0.8キロを練り歩いた。

 沿道で運行を見守っていた古川利彦さん(64)は「園児たちのかけ声がかわいかった。本番に期待が持てる」と目を細めた。

 年長組の黒川一真ちゃんは「太鼓をうまくたたけて楽しかった。(今日のできは)一千万点!」と元気に話した。

▼茂森新町 木組みの柱建て

 弘前市の茂森新町ねぷた同好会は、同市の小屋で、扇ねぷたの木製の骨組みを組み立てる「柱建て」を行った。メンバー約20人が手際よく作業した。

 多くの団体が鉄製の骨組みを使う中、同会は発足してからの50年間、昔ながらの木組みの扇ねぷたを使い続けている。この日は午前中から作業を始め、足場も作らずに、下から組んでいった骨組みに乗り上げながら連携良く作業を進めた。午後には高さ約6メートルの骨組みが完成。神事を行い、安全を祈願した。

 同会は今後、残り2台のねぷたを組み立て23日に絵張り作業をする。会長の小山内稔さん(69)は「残り1カ月はあっという間。みんな仕事をしながらなのでコツコツ準備を進めたい」と話した。

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