日本人審判団もW杯へ!山下良美主審、坊薗真琴副審、手代木直美副審「力を最大限に出せるように」

女子W杯への意気込みを語る手代木直美副審(左)、山下良美主審(中央)、坊薗真琴副審(右)[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

2日、オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)に臨む日本人審判団の3名、山下良美主審、坊薗真琴副審、手代木直美副審が、メディアの取材に応じた。

7月20日に開幕を控えるオーストラリア&ニュージーランド女子W杯。山下主審と坊薗副審は2019年フランス大会に続いて2度目、手代木副審は2015年カナダ大会から続く3度目の女子W杯担当審判員に。山下主審は2022年カタールW杯でも担当員にも選出されている。

今季は4月29日の明治安田生命J1リーグ第10節、横浜F・マリノスvs名古屋グランパスにおいて、Jリーグでは初となる女性トリオによる担当が実現。以降もJ1に限らず、J2を含めた複数の試合をトリオで裁いた。

VARをはじめとしたテクノロジーの導入に関する質問も上がるなかで、ルールに限らず日々アップデートされる様々な面に「順応できるように」とは山下主審。また、オフサイドのシビアな判定と直面しやすい両副審は、「力を借りながら一緒により精度の高い判定ができるように」(手代木副審)、「導入前から(判定の)精度の追求は普遍的なもの」(坊薗副審)と、依存ではなく自身にもベクトルを向ける。

ピッチ上では厳格さを求められる審判団だが、この日は終始笑顔。単身世界へ乗り込むのではなく、気心の知れた仲間が横にいることは大きいようだ。

世界でも副審が仕切るトリオは多いとの話もあがるなか、このトリオでは坊薗副審がけん引役を担うようだ。ただ、本人は謙遜しつつ「冗談に対してしっかり冷静につっこんでくれるという安心感。バランスは取れているなと思います」と場を和ませた。

山下主審は「2人がいることは心強いです。一緒にフィールドに立つときもそれ以外の時も、もちろんワールドカップにいくことも。3人で力を合わせられることは私にとっては力になります。とても心強い2人です」ともコメント。なでしこジャパンのみならず、日本人審判団の活躍にも期待したい。

◆山下良美主審

「たくさんの方に来ていただいてすごく嬉しいです、ありがとうございます。ワールドカップが近くに迫ってきて、より気持ちが高まってきているのを自分でも実感していますが、まずはこの機会がいただけたことを、本当にとても光栄で、とても嬉しく思っています」

「今までサッカーを通じて出会ってきた方達(への感謝)、そして今までサッカーを好きになって続けてきた人生をこのワールドカップで表現したいと、関わってきた方たちへの感謝の気持ちや情熱を表現できるように、そんな気持ちを持っています」

「今回、3人で参加できるので、3人で力を合わせて今まで皆さんと培ってきた力を最大限に出せるように準備をしています。それが責任だと強く感じながら、この気持ちを表現したいなと思います」

「審判員として大会に参加する以上、審判チームとして大会の成功に向けて全力を尽くすことだと思います。そして私たちは、割り当てがあれば、その試合に対して全力で臨めるように準備していきたいです」

◆手代木直美副審

「ここに来るまでの間に、本当にたくさんの方にご理解いただいて、多くのサポートを頂いて、すごくいい準備ができているなと感じています。大会が迫ってくる中で、自分でもドキドキしながら準備をしてきたこともたくさん発揮したいなと、選手のために全力でやれるようしたいなとは思っています」

「見ている人たち全てが女子サッカーにもっと興味を持っていただいて、興味を持ってくれる人がより増えるような、そんな大会になるよう私たちも全力を尽くして頑張りたいと思います」

◆坊薗真琴副審

「世界最高峰の女子の大会であるワールドカップ(の担当員)に選出されて本当に光栄に思っております」

「手放しに楽しむ、とは言いたくはないですけれども、ただ誰もが行ける舞台ではないですし、特別な場所ですので、そこを楽しむことが私たちの責任かなとも思います」

「全ての瞬間や出来事を一つ一つ楽しみたいなと思います。そうすることで、今までお世話になってきた方々への感謝を示したいです」

「女子サッカーの世界最高峰の大会ですので、なでしこジャパンの活躍とともに、少しでも長くその舞台を楽しめるように、一日一日、一つ一つの瞬間を大事にして後悔のないように、悔いのないように帰国できたらなと思います」

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