「子どもの声に導かれ」 平和教育に尽力、山川さんに秋月平和賞授与 ながさき平和大集会

朝長委員長から表彰状を受け取る山川さん(左)=長崎原爆資料館

 第33回ながさき平和大集会が2日、長崎市平野町の長崎原爆資料館であった。長崎県被爆教職員の会で長年活動し長崎の平和教育をけん引してきたとして「秋月平和賞」を受賞した同市の被爆者で元小学校教諭、山川剛さん(86)に表彰状が贈られた。
 山川さんは小学生の時に被爆。児童らに原爆の悲惨さを伝え、定年退職後も活水高で「長崎平和学」の講師を務めた。今なお小中学生や修学旅行生らに被爆体験を語り継いでいる。
 授賞式で「子どもの声に導かれて今日まで歩んできた」と語り、平和教育に関わるきっかけとして、戦後25年時の子どもを対象としたアンケートを紹介。「戦争や原爆に関する話を誰から聞くか」の選択肢で最も回答が少なかったのが「教員」だったことから「ショックだった。教師は“沈黙の壁”の中にいた。そこから私は被爆教師になった」と話した。
 集会は、核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委(朝長万左男委員長)が主催。被爆医師の故秋月辰一郎さんらの呼びかけで1989年に始まった。秋月平和賞は平和運動に功績があった個人や団体に贈っている。
 2日は市民ら約200人が参加。実行委は今回、平和活動を発表する団体や個人を初めて公募し、3団体が応じた。あるフリースクールの代表は、子どもたちが日本の平和教育について海外に発信した事例を紹介した。

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