里山で旬の料理堪能 千葉・いすみ 初の天然温泉施設 「五氣里」29日オープン

いすみ市下布施にオープンする「五氣里」の全体イメージ図

 千葉県いすみ市下布施に市内初の天然温泉付き高級宿泊施設「五氣里-itsukiri-(いつきり)」が、29日オープンする。地元食材を使った料理を提供し、災害時の一時避難所になることなどから、運営する三日月興業(勝浦市、小高秀元代表取締役)と市は観光振興や災害対応などに関する包括連携協定を結んだ。

 里山が広がる1万2千坪ほどの敷地に建てられる施設は、ゆったりとした広さの全20棟すべてが天然温泉付き。このうち2棟は古民家の米蔵や牛小屋をリノベーションし、7棟がグランピングのドーム型テント。ナトリウム炭酸水素塩泉の温泉は地下300メートルからくみ上げる。

 レストランやバーベキュースタイルで旬のご当地食材料理を味わえる。開発で伐採した樹木を施設の建材やまきストーブ燃料に活用。プールやサウナも備え、裏山に展望台や自然を満喫できるアクティビティー施設を整備する。

 隣接する勝浦市の駅前でホテルを経営する同社は、コロナ禍の事業再構築で新たな宿泊形態を模索。イセエビやマダコ、有機農作物などの食材が豊富で、まちづくりテーマの一つに「美食の街」を掲げるいすみ市に目を向け、自然環境や食に力を入れた宿泊施設を手がけることにした。

 市役所で行われた協定締結式で小高代表取締役は「市と連携して滞在型観光の促進、美食の発信基地を目指し、地域の発展に貢献したい。いすみの名に恥じない施設を作る」と意欲を語り、太田洋市長は「時代に合った宿泊施設。地域活性化に寄与することを願っている」と話した。

包括連携協定を結んだ小高代表取締役(左)と太田市長=いすみ市役所

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