県内路線価、宇都宮駅東口が4年連続最高 14年連続減も下落幅縮小

4年連続で県内の最高路線価となった宇都宮駅東口駅前ロータリー付近=宇都宮市宮みらい

 関東信越国税局は3日、相続税や贈与税の算定基準となる2023年1月1日時点の路線価を公表した。県内に約4900地点ある標準宅地の評価基準額(1平方メートル当たり)の最高額は、4年連続で宇都宮市宮みらいの宇都宮駅東口駅前ロータリーとなった。8税務署別の最高路線価の所在地で唯一、上昇した。8月26日開業の次世代型路面電車(LRT)などへの期待感が続いているとみられる。県内の標準宅地の対前年変動率の平均値はマイナス0.1%と14年連続で下落したが、昨年のマイナス0.5%から下落幅は縮小した。

 県内8税務署別の最高路線価のうち、宇都宮署管内の宇都宮駅東口駅前ロータリーは1平方メートル当たり32万円で、前年より3.2%(1万円)増加した。上昇は4年連続。

 県不動産鑑定士協会の鈴木健司(すずきけんじ)会長は「宇都宮駅東はLRTへの期待感や、宇都宮駅東口整備事業で発展傾向にあり、上昇傾向が続いている」と分析した。

 横ばいは5カ所。栃木署管内は最高路線価が前年の小山市中央町3丁目の小山駅西口ロータリーから、同市駅東通り1丁目の市道25号線に変わった。同駅東エリアで商業施設の出店などが進んだためとみられる。評価基準額は12万5千円。

 22年まで13年連続で下落していた大田原署の那須塩原市大原間西1丁目の那須塩原駅西口ロータリーも横ばいとなった。

 下落したのは2カ所。足利署の足利市朝倉町の国道293号がマイナス1.7%、鹿沼署の鹿沼市西茂呂2丁目の鹿沼駅西通りは同2.3%で、いずれも4年連続でマイナスとなった。

 新型コロナウイルスの影響について、鈴木会長は「住宅地はコロナの影響による下落がほとんど見られなかった。商業地も行動制限の影響で大きく下落した飲食店街などの下落率が改善している」と説明した。

 路線価は主要道路に面した土地の標準価格で、地価公示価格などを基に算出される。

4年連続で県内の最高路線価となった宇都宮駅東口駅前ロータリー付近=宇都宮市宮みらい

© 株式会社下野新聞社