野良猫捕獲、スマホに通知 かほく市職員考案、実証実験後に活用へ

通信機の性能を確認する関係者=かほく市遠塚

  ●「保護団体の負担軽減を」

 「猫のまち」を打ち出し、野良猫の保護に積極的に取り組むかほく市の職員四柳智恵さん(48)が3日までに、捕獲用ケージに猫が侵入したかスマートフォンに通知される仕組みを考案した。おりの巡回など住民団体の活動の負担を軽減しようと通信機器を試作。実証実験を経て現場で活用してもらう方向だ。

 かほく市は、旧宇ノ気町出身の哲学者西田幾多郎が愛猫家だったのにちなんで市を挙げて「猫のまち」をPRしている。今年から野良猫の不妊・去勢手術費を一部助成する新たな制度を設けるなど野良猫の増加を抑える取り組みも進めている。

 捕獲ケージは猫が餌に食い付くと扉が閉まる仕組みで、ケージ上部に通信機の本体、扉側にスイッチを取り付け、扉が閉まるとスイッチと本体が離れることでスマホやパソコンにメッセージが届けられる。ワイファイなど通信環境が整った場所であれば利用可能だという。

 野良猫の不妊や去勢をサポートする団体「かほく猫の会」によると、ケージを6台保有しているが、餌の管理や猫の安全確保のため、ケージ設置後は会員が1時間に1回確認して回っている。昼夜問わず見回りが必要になる場合もあり、負担が大きかった。

 四柳さんは猫の会のこうした悩みを聞き、ものづくりのクラブ「K-Lab(ケーラボ)」で指導に当たるPFUの楯岡将規さんと協力して通信機を制作した。四柳さんは「猫の保護活動に奮闘する会員の皆さんの負担が少しでも軽くなればうれしい」と話した。

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