恒例「スイカの夜間競り」が朝に移行 競り人高齢で 「寂しい」の声も 琴海の西部青果市場 長崎市

朝から開催されたスイカ競り=長崎西部青果市場

 長崎市琴海戸根町の長崎西部青果市場は、1974年から続く恒例行事「スイカの夜間競り」を終了し朝の競りに移行した。3日、移行後初の競りがあり、買い付け業者や一般の人たちが目当てのスイカを競り落とした。
 同市場では、他の卸売市場と時間をずらし誰もが買いやすいようにと、弥永薫代表(82)の発案でスイカの夜間競りを毎年開催。一般の人も参加でき、夏の風物詩として地元で親しまれてきた。
 ただ、競り人を務める弥永代表が高齢になり、通常の競りに加え夜も開くのは体力的に厳しくなったため、50年近く続いた夜間競りを終了すると決めた。一部の常連客には事前に伝え、「寂しい」「朝からは行けない」などと残念がる声も上がったという。
 3日朝のスイカ競りには、西海市西彼町産や地元名産長浦スイカなど約300個が並んだ。これまでの夜間競りと同様、弥永代表が早口で価格を呼び上げ、希望者がテンポよく競り落としていった。一般参加した近所の中島忠雄さん(79)は「一瞬の駆け引きで好きな量を好きな値段で買えるのが魅力」と手に入れた大玉スイカを眺め笑顔を浮かべた。
 弥永代表は「夜間競りにはわざわざ遠くから来てくれるお客や仕事帰りに来てくれる人も多かった。やめるのは寂しいが、年には勝てなかった」と話す。
 同市場のスイカ競りは、午前8時からの農水産物の競り後に開始。水曜と日祝日休みで、盆明けごろまで続く。一般参加もできるが購入は1列単位(4~6個前後)。事前の相対売りも実施する。問い合わせは同市場(電095.884.2569)。

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