酒田市、生成AI活用開始 県内初、チャットGPTなど

酒田市が導入した対話型AI。業務の効率化が期待されている=同市役所

 酒田市は3日、「チャットGPT」などの対話型の生成AI(人工知能)を7月から業務に活用していると発表した。市によると自治体での活用事例は県内では初めてで、業務の効率化が期待される。ただ、文書などの生成物は担当者が素案を作る際の参考資料の一つとし、文書要約やアイデア生成など使用する業務範囲も八つに限定している。

 市によると、使用する対話型AIサービスは「チャットGPT」と「Bard(バード)」で、特別職や会計年度任用職員を含む全職員約800人が使用できる。各課などに貸与するタブレット端末約240台と、貸与パソコンで操作でき、新たな経費負担は生じない。

 市は、先行自治体の試験導入例などを参考に、今年3月ごろから対話型AIを研究してきた。ガイドラインで使用する業務範囲を▽一般文書やメールなどの文書生成▽会議記録などの文書要約▽事業提案やアドバイスなどのアイデア生成▽情報検索▽表計算などのプログラムコード生成▽翻訳―などと定めた。個人情報を入力しない、倫理に反する表現が含まれていないか確認するといった留意点も設けた。より的確な文書やアイデアを生成させるため、事例報告として有効な質問や指示の出し方を共有する。

 市は2021年12月に実施した、市総合計画後期計画案の住民アンケートの回答を対話型AIに分析させた。千人分の自由記載欄の分析で、職員が長時間かけた結果と変わらない結論を数分で導き出したという。丸山至市長は「公式な文書や施策にそのまま反映されるものではない。秘書的に補佐してくれるツールとして活用していく」と述べた。

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