夏の甲子園県予選特集 注目選手のライバルを紹介(1)【大分県】

第105回全国高校野球選手権の県予選が8日に幕を開ける。3年生にとって集大成となる大一番だ。優勝争いとともにハイレベルな選手個人の活躍にも注目が集まる。その有力候補といえる選手たちをピックアップし、彼らが対戦したい選手を聞いた。

ピッチャー 児玉迅(大分商業3年)

2006年2月24日生まれ、173cm、72kg、右投右打、別府北部中学校出身

新チームになってからエース番号を背負い、今春のセンバツ甲子園でも先発マウンドに上がった。「甲子園に出たことは自信になった。野球の考え方を1、2個上に上げないと通用しないことも分かった」と、球の緩急と制球力を磨き、打者のタイミングを外す変化球を有効に使えるようになった。夏の大会に向けて球種を増やし新たな武器を手にした。「(対戦相手に)研究されていると思うが、それを上回る投球でチームの勝利に貢献したい」と表情を引き締めた。

気になる選手

児玉陽悠(大分舞鶴3年)

中学が一緒で同じクラスになったこともある。何でも言い合える仲だし、登校時に一緒の電車に乗り合わせれば、よく話す。アイツは2年のときにセンバツ甲子園に出場し、少し先を越された。体が大きく、失投すればフェンスまで持っていかれるパワーがある。対戦したらバチバチモードになると思うので、ストレートで三振を取りたい。

ピッチャー 森山塁(明豊3年)

2006年1月14日生まれ、177cm、77kg、右投右打、日田南部中学校出身(前所属は日田ボーイズ)

強豪・明豊で1年生の頃からマウンドに上がり、2度の夏の甲子園を経験している。最速143キロのストレートとフォークを武器に三振を取れる本格右腕だ。この冬は下半身を中心に筋力を増やし、5kgの増量に成功した。「体が大きくなったことでボールに力を乗せることができるようになった」と手応えを感じている。副キャプテンとして、チームの核となる選手の自覚も芽生えた。「目の前の一戦に集中することが勝利につながる」とチームのためにマウンドに立つ。

気になる選手

松石信八(藤蔭3年)

自分と同じように1年生の頃からマウンドに立っているからこそ意識する。プロ野球のスカウトが注目していた選手。リスペクトしているが、今年の夏は自分が上だと見せつけたい。準々決勝で対戦する可能性があるが、投げ合うことになれば絶対に先にマウンドから降りたくない。彼の球を受ける河津陽和(同)は、中学でバッテリーを組んでいたからということもあり、絶対に負けたくない。

センター 黒木大生(津久見3年)

2005年5月30日生まれ、170cm、75kg、右投左打、津久見第一中学校出身(前所属は大分南リトルシニア)

走攻守そろった万能型。相手の嫌がるプレーができる曲(くせ)者として1年生の頃からベンチ入りしているが、今年の夏はキャプテンとしてチームの先頭に立つ。「みんなのベクトルがそろえば勝利につながる。守りに入らず積極的なプレーでチームを引っ張り、甲子園に行く」と言葉の端々にリーダーとしての自覚がうかがえる。足が速く、小技も使える器用さがあるが、藤丸崇監督からは「小さくまとまるな」と言われ、チャンスに長打が打てる強打者として最後の夏に挑む。

気になる選手

森山塁(明豊3年)

力強いストレートとキレのあるフォークは県内ナンバー1。これまで何度か対戦しているが、いいイメージはない。ただ、一発勝負のトーナメントにおいては過去の成績など関係ない。苦手意識はないし、対戦したら初球から打っていきたい。自分が打ち崩すことで突破口になればと思う。

(柚野真也)

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