風太20歳でお誕生会 好物で作ったケーキ贈呈、ファン400人も祝福 立ち姿でブーム 千葉市動物公園

飼育員が差し出すリンゴに興味を示す風太=5日、千葉市若葉区の市動物公園

 背筋を伸ばした立ち姿でブームになった千葉市動物公園(同市若葉区)のレッサーパンダ「風太」が5日、20歳になり、同園で誕生日会が開かれた。同園は風太の好物で作ったバースデーケーキを準備し、駆け付けたファンと一緒にお祝い。神谷俊一市長は多くの人々に笑顔を与えたとして「特別感謝状」を贈り「これからも元気に」と長寿を願った。

 同園によると、レッサーパンダの平均寿命は18歳前後とされ、風太は人間に例えると80歳以上の高齢者。国内4番目の長寿で、今は立ち姿を披露することはなくなったが、健康状態は安定しているという。

 この日は本来休園日だったが、特別に開園。園が用意した整理券の枚数を大きく上回る約400人のファンが集まった。神谷市長は誕生日会で「千葉市動物公園を全国区に押し上げた。市民にとっても大切な思い出」とたたえ、特別感謝状を贈呈。ニンジンやリンゴなどでできたバースデーケーキも風太にプレゼントされた。

 当初、小屋の中で休んでいた風太は興味を示して出てきたが、ケーキには近づかず展示場内をお散歩。20歳になっても変わらない“マイペースぶり”を見せた。

 10年以上ファンという佐藤宏美さん(29)=同市稲毛区=は「子どもの頃に遠足で千葉市動物公園を訪れて以来の風太ファン。元気な姿を一目見ることができて安心した」と笑顔。福島県から訪れた中村祐絵さん(44)は「風太がきっかけでレッサーパンダを知った。これからも無理せず、できる限り長生きしてほしい」と願った。

 同園では現在、暑さに弱いレッサーパンダの飼育環境をより良くするためのクラウドファンディングも実施中。鏑木一誠園長は「風太たちが末永く健康に過ごしていくために賛同してもらい、動物福祉を考えるきっかけにしてほしい」と呼びかけた。

 風太は2003年に静岡市立日本平動物園で誕生。04年に千葉市動物公園へ。翌05年にりりしい立ち姿で一躍有名になり、テレビCMに出演したこともある。

20歳の誕生日を迎えたレッサーパンダの風太。飾り付けられた小屋から顔をのぞかせた=5日、千葉市若葉区の市動物公園
多くの来園者が風太の展示場に駆けつけ、20歳を祝った=5日、千葉市若葉区の市動物公園
立ち姿で有名になった2005年ごろの風太(千葉市動物公園提供)

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