懐中電灯でカラス追い払い 高岡市・木津地区 住民、ねぐらに光を照射

懐中電灯を照らしながら巡回する参加者=高岡市木津

  ●年間通じ「作戦」へ 秋や冬は「兵糧攻め」

 夜間に懐中電灯を照らしてカラスを追い払う「カラス被害減滅作戦」が4日夜、高岡市の木津地区で始まった。住民らが地区内を巡回し、カラスのねぐらとみられる場所に光を当てた。昨年度に定塚地区が試みた作戦で、ふん害が改善された実績を受け、カラスの活動が活発化する夏に向けて本格的に実施する。

 作戦は「高岡の陣」と題して今後、市内各地区で年間を通じてさまざまな試みが展開される。

 夜間の懐中電灯照射は「夏の陣」の作戦として実施される。ふん害や鳴き声などに悩まされていた定塚地区で昨年度、光による追い払いを試したところ、それまで実施していた、鳴き声を録音して音で追い払う対策よりも効果が出た。

 4日は市職員や南星町6区自治会、若木町自治会ら9人が地区内を巡回。木の上や電柱など、ねぐらとなりやすい場所に懐中電灯の光を当て、カラスを追い払った。

 木津地区では、児童の通学路やジョギングコースにカラスが集まって子どもやお年寄りが怖がったり、室外機や庭木が荒らされたりする被害が出ており、南星町6区自治会の山本誓智会長は「これを機に、少しでも被害が減ってほしい」と期待を寄せた。懐中電灯の作戦は8月末まで行われ、他の地区でも展開される予定となっている。

 10月以降は「秋の陣」として、えさになりそうな農作物や果実を処分するよう市民に呼び掛け、来年1~3月は「冬の陣」として、果実の摘果や不要な農作物を土に埋める「兵糧攻め」を予定している。

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