帰宅の老夫婦を道すがら説得…窓口終了後も特殊詐欺「被害」兆候を見逃さず 浦和署、3郵便局員に感謝状

左から小平剛裕さん、橋本昭文浦和署長、穂積健一郎さん、岡本匡誌さん=埼玉県警浦和署

 特殊詐欺被害を未然に防いだとして、埼玉県警浦和署は管内の浦和太田窪郵便局の小平剛裕さん(48)と浦和仲町郵便局の岡本匡誌さん(47)、穂積健一郎さん(36)に感謝状を贈った。

 同署によると、太田窪郵便局の小平さんは6月2日午後5時半ごろ、局内で通話しながらATMを操作していた高齢女性を発見。声をかけたところ「医療費の還付金がもらえる」などと話したことから特殊詐欺を疑い、ホットライン通報し被害を防いだ。

 また、仲町郵便局の岡本さんは同月12日、窓口業務が終了した午後5時15分ごろ、高齢夫婦が同じく通話をしながらATMを操作しているのを見つけ、「浦和駅で息子に200万円を渡す」などと話し帰宅しようとしたため、穂積さんと連携して自宅まで歩きながら説得を重ねて被害を防ぐことができた。

 両件に共通しているのは、局内の窓口業務が終了して局員の目につきづらい時間帯だったこと。同署によると、特殊詐欺のかけ子は無人ATMを指定する手口があるという。

 感謝状を手渡した同署の橋本昭文署長は「機転を利かせてくれたことで被害が防止できた」と述べた。

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