長崎・壱岐で中学生ら6人溺れる 校外活動の合間に遊泳 1人一時意識不明

 5日午後1時10分ごろ、長崎県壱岐市勝本町の辰ノ島海岸で「女子生徒が遊泳中に溺れた」と同市消防本部から壱岐海上保安署に連絡があった。壱岐海保によると、市内の中学校の女子生徒4人が遊泳中に溺れ、助けに入った40代男性教諭と50代男性漁協関係者も溺れたという。6人は漁協や学校関係者らに救助され、病院に搬送。生徒の1人は一時意識不明だったが、その後意識が回復した。
 同市教委によると、市立勝本中(奥田千穂校長、127人)の全校生徒が校外学習の一環として、教職員と海岸を清掃していた。壱岐海保によると、生徒4人は清掃活動の合間に遊泳していて、深みにはまったという。長崎地方気象台によると、当時、壱岐市には強風注意報が出されていた。
 同校は6日に保護者説明会を開く。同校は「生徒の命が無事だったのが救いだが、決してあってはならない事。今後はスクールカウンセラーなどと生徒の心のケアに努め、再発防止に取り組む」としている。
 現場にいた同町漁協職員によると、回収したごみ運搬用の小船2隻で海上から監視していたところ、手を振って溺れている生徒を発見し、救助した。同職員は「引き潮の時間帯で岸から沖に潮が流れていた。気付かないうちに足が届かないところまできたんじゃないか」と話した。当時は溺れた生徒以外も海に入って遊んでいたという。
 辰ノ島は壱岐島北部に位置する無人島。同市観光連盟によると、夏から秋にかけ、海水浴場を利用したり、遊覧船を利用したりする観光客でにぎわう場所。

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