鳥居再建、復興象徴に 珠洲・春日神社

鳥居の建立工事を進める作業員=6日午前11時50分、珠洲市飯田町

 昨年6月の震度6弱の地震で倒壊した珠洲市飯田町の春日神社の鳥居の建立工事が6日、神社境内で始まった。同日午後に完成する見込みで、20日開幕の市無形民俗文化財「燈籠山(とろやま)祭り」に合わせ、竣工(しゅんこう)祭が営まれる。昨年と今年5月の震度6強の2度の地震からの復興のシンボルとなる鳥居の再建で、氏子ら約20人が神社に集まり、組み立てられる様子を見守った。

  ●昨年6月倒壊

 鳥居は高さ6メートル、幅4メートルで御影石製となる。耐震性を高めるため、土台石と基礎を鉄筋でつなぎ、基礎はコンクリートで固める。再建費用は地元の氏子に加え、クラウドファンディングなどで集まった寄付を充てる。

 6日は正午までに、作業員4人がレッカー車を使って土台石の上に重さ3トンの柱を立て、柱同士をつなぐ部分「中貫(なかぬき)」の取り付けを進めた。午後に鳥居最上部に笠木を乗せる作業などを行って完成する。

 昨年6月の地震以来、1年ぶりの鳥居の姿を見ようと、工事が始まる午前8時半ごろから氏子が訪れた。泉明さん(64)=飯田町=は「こんなに大きな鳥居の建立工事は初めて見た。燈籠山祭りまでに再建できてうれしい」と喜んだ。

 葛原秀史宮司(55)は再建に当たり、氏子に加えて全国から寄付が集まったことに触れ「多くの人の思いが詰まった鳥居であり、感慨深い」と話した。

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