脳卒中、がんの予防法を学ぶ 長井で県民健康講座

脳卒中やがんの予防策について理解を深めた県民健康講座=長井市・タスパークホテル

 山形新聞、山形放送の8大事業の一つで、身近な疾病や最新の医療情報などを学ぶ「県民健康講座」の2023年第2回講座が6日、長井市のタスパークホテルで開かれた。山形大医学部、県医師会所属の医師が講師を務め、市民ら約110人が脳卒中やがんを予防する重要性や留意点などについて理解を深めた。

 開講式で寒河江浩二山形新聞会長・主筆(山形新聞グループ経営会議議長)は「健康で長生きは、人生を豊かにする上で誰もが願うこと。講演が健康づくりのヒントとなり、健康寿命の延伸につながることを祈念する」とあいさつした。中目千之(なかのめちゆき)県医師会長、来賓の内谷重治長井市長は、講演内容を自身の健康増進に役立て、周囲にも共有してほしいと呼びかけた。佐藤秀之山形新聞社長、板垣正義山形放送社長も出席した。

 講座では、山形大医学部付属病院脳神経外科准教授の小久保安昭氏が「脳卒中に負けないために知っておきたい予防と治療」、大道寺医院(米沢市)院長の大道寺浩一氏が「がん予防してますか?」と題し、それぞれ講演した。

 小久保氏は、ろれつが回らない、激しい頭痛などの症状が突発的に生じた際は脳卒中を疑い、早急に医療機関を受診してほしいとした。手術やカテーテル治療など具体的な治療法を紹介した上で、脳卒中は死亡や後遺症につながる危険性がある疾患だとし「発症予防に努めることが最も大切。血圧が高いほど脳卒中の危険性は高まるので、自宅でも血圧測定をしてほしい」と語った。

 大道寺氏はがんを、2人に1人がかかる「全ての人にとって身近な病気」とし、喫煙、飲酒によるリスクの増大、男女別のかかりやすい部位などを解説。塩分量を抑えた食生活といった、予防する上でのポイントを示した。「がん細胞は大きくなるまで自覚症状がなく、無症状でも健康とは限らない」と強調し「早期発見なら9割が治る。定期的に検診を受けてほしい」と述べた。

 会場では、県看護協会の看護師による健康相談や手洗い指導も行われた。

 県民健康講座は山形新聞、山形放送、山形大医学部、県医師会、県看護協会が主催している。10月12日には、第3回講座を酒田市の酒田勤労者福祉センターで開く。第2回講座の内容は13日付本紙で詳報する。

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