鶴岡東など上位陣伯仲 全国高校野球山形大会、きょう開幕

 第105回全国高校野球選手権記念山形大会は7日、中山町のヤマリョースタジアム山形(県野球場)で開会式を行い、夏の甲子園を目指す球児たちの熱戦が幕を開ける。

 大会には合同2チームを含む42チームが出場する。初日は開会式後に開幕試合で1回戦の高畠―左沢が行われる。1、2回戦は10日までの日程で、ヤマリョースタジアム、米沢市営野球場、新庄市民球場、鶴岡市小真木原野球場で繰り広げられる。14、15日の3回戦はヤマリョースタジアムと山形市のきらやかスタジアムが会場。16、17日の準々決勝、21日の準決勝、23日の決勝は、いずれもヤマリョースタジアムで行われる。

 【みどころ】今春の県大会を制した鶴岡東と準優勝の日大山形、昨秋の県王者・山形中央が今大会の軸となる。いずれも好投手を擁して総合力は高い。東海大山形、羽黒、酒田南も地力がある。上位陣の戦力に大きな差はなく、実力伯仲の勝負が繰り広げられそうだ。

 Aブロックには連覇を狙う鶴東と9年ぶりの頂点をうかがう山中央が入った。鶴東は各打者のつなぐ意識が高く、小技や足を絡めた手堅さは健在。佐藤一汰、桜井椿稀、三好航生の力のある左腕がいる投手陣の層も厚い。山中央は武田陸玖が投打の柱。最速147キロの直球が武器の左腕はマウンド上の安定感が増した。打撃でも中軸としてチームをけん引する。勝負強い木村祐葵、戸村良和らと並ぶ打線は爆発力がある。

 Bブロックは得点力が高い東海大山形が優位に立つ。パンチ力がある鈴木晴大、高橋楓真、物部豪が中軸を担い、下位も長打が見込める打線の破壊力は十分。九里学園は主戦佐藤珠生をはじめとする投手陣が粘り強く失点を抑え、船山瑠斗ら中軸の勝負強さを生かす展開に持ち込みたい。創学館は5投手が持ち味を生かして逃げ切りを図り、山形工は継投から接戦に持ち込むことができるか。ともに先制して主導権を握りたい。

 Cブロックは2年ぶりの栄冠を見据える日大を筆頭に実力校がそろった。日大は最速147キロのエース菅井颯が存在感を放つ。打線は主軸の遠藤海星が当たっており、流れを引き寄せる力がある。主力の大高海斗の復帰も心強い。酒南はノーシードだが1年時から活躍する中圭佑、桐花幸甫、神原健人らが健在で攻守に安定感がある。山形城北は機動力を生かして先手を取りたい。山形学院は打ち合いに持ち込めるか。

 Dブロックは5年ぶりの甲子園出場を目指す羽黒が軸になりそう。山田舞侑ら力のある投手がそろい、継投策で勝機を見いだす。打撃好調な江崎仁、野口大成ら中軸が勝負どころをものにできれば打線が活気づく。山形商は左横手の伊藤烈士らタイプの異なる投手がそろうだけに、出塁率の高い逸見敬生らで好機をつくり流れを手繰り寄せたい。酒田光陵は手堅い攻撃が持ち味で、粘り強く競り合いをものにできるか。

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