ピンテック(山形)が解散へ 従業員73人、9月末で退職

会社の解散が発表されたピンテックの本社=山形市・蔵王産業団地

 金型部品メーカーのパンチ工業(東京)は6日までに、生産子会社のピンテック(山形市)を解散すると発表した。同社の全従業員73人は9月30日付で退職する。清算手続きは2024年度中に完了させる予定。

 5日に開いた取締役会で決めた。ピンテックの従業員には規定の退職金に特別退職金を加算するほか、再就職の支援を無期限で行う。ピンテックは9月末まで稼働したのち、臨時株主総会で解散を決める。生産設備は岩手県などのパンチ工業の生産拠点に移転する。

 原材料や光熱水費の高騰などによるグループ全体の業績悪化が原因。パンチ工業本体でも200人程度の希望退職を募集し、経営陣の報酬の一部を返上する。パンチ工業の担当者は山形新聞の取材に「苦渋の決断だが、割増退職金の支払いなどができるうちに判断した」と説明した。

 ピンテックは02年にパンチ工業の子会社として東京で設立し、04年に山形市の蔵王産業団地内に本社を移転した。23年3月期決算では、2300万円の赤字を計上していた。本社工場の土地建物はパンチ工業の所有で、清算後の用途は未定。

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