パキスタンの無名峰へ、8人出国 県山岳・スポーツクライミング連盟の記念事業

パキスタンに向け出国した本県登山隊ら=8日午前、成田空港(県山岳・スポーツクライミング連盟提供)

 今年、創立75周年を迎える県山岳・スポーツクライミング連盟の記念事業として、同連盟に所属する64~74歳の8人が今月、パキスタンの無名峰(6062メートル)に挑む。登山隊は8日、現地に向けて成田空港を出発した。15日から無名峰の登山を開始し、21日に山頂へアタックする予定だ。

 同連盟は1948年の設立。県内の山岳会など約30団体が加盟し、安全登山教室や清掃登山、スポーツクライミングの普及・技術向上などに取り組んでいる。

 設立の周年記念事業として、5年ごとに海外遠征を実施してきた。今回の登山隊は、県内山岳会員のベテランで構成。年齢に見合った体力や技術などを考慮し、全員で登頂できる可能性のある山を選んだ。

 無名峰は、中国の新疆ウイグル自治区との国境に近いパキスタンのクンジュラブ国立公園内にある。同連盟によると、日本の登山隊はあまり訪れない地域という。登山隊は8日にパキスタンの首都・イスラマバードに到着した後、国境近くに移動する。

 15日に無名峰を登り始め、約4800メートル地点で拠点となる「ベースキャンプ(BC)」を設営する。その後、約5400メートル地点にもうひとつの拠点「キャンプ1(C1)」を設置し、斜面に登山の手掛かりとなるロープを張る。20日にBCを出発し、C1に宿泊。21日に山頂を目指す計画だ。

 登山に参加する小山山岳会の佐久間利美(さくまとしみ)さん(69)は「前から行ってみたい場所だった。なかなか見られない景色だと思うので楽しみ」と期待する。同連盟会長で登山隊長の粂川章(くめかわあきら)さん(71)は「全員で登頂して、無事に帰国したい」と話した。

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