ミス相次ぎ揺れるマイナカード問題 “渦中”の河野デジタル相が兵庫・洲本市役所窓口を視察

マイナンバーカードの申請、交付を行う窓口を視察する河野太郎デジタル相=9日、洲本市役所

 マイナンバーに別人の情報を誤登録するミスが相次ぎ、政府の個人情報保護委員会がデジタル庁への立ち入り検査を行う方針を示す中、河野太郎デジタル相が9日、兵庫県洲本市を訪れ、マイナンバーカードの休日申請と交付作業を行う市役所窓口を視察した。

 河野氏は視察後、報道陣に「洲本市のDX(デジタルトランスフォーメーション)の状況をいろいろ聞いた。マイナンバーカードについてもさまざまな努力をしていることを聞き、非常に心強く思った」と感想を述べた。

 同市でもカード返納の相談があることについては「ほとんど数はないと聞いているので、問題とは思わない」とし、国民の不信感が募っていることには「誤ったひも付けがきちんと修正されているのが確認されれば、おのずと収まっていく」との見解を示した。

 その上で、河野氏は「これから便利なサービスが始まる。便利さを実感していただきたい」と理解を求めた。

 マイナンバー総点検での自治体との連携では「職員同士の共創プラットホームが機能している。多くの首長とオンラインで意見交換しているし、個別に意見も寄せられている。しっかりとやりとりしていく」と自信を示した。

 自治体に向けては「住民サービスの最前線。マイナンバーカードを使った本人確認や、カードの機能を使ったスマホからの申請など、(活用の)件数を増やしていってほしい。デジタル庁はしっかりサポートしていく」と呼びかけた。

 この日、河野氏は南あわじ市の地域密着型介護老人福祉施設も視察した。(内田世紀)

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