【今週の静岡】県西部で突風被害 “ダウンバースト”か 倉庫倒壊 トレーラー横転

7月4日、静岡県西部で突風が発生。掛川市や菊川市などで被害が確認されました。上空に寒気が流れ込んだ影響で大気の状態が不安定となり、静岡県各地で落雷や大雨・ひょうが降るなど大荒れの天気に。

(倒壊した倉庫の持ち主)

「すごい雨と風とひょうが降った。(倉庫が)飛んだのは分からなかった。見たらない状態」

(川口記者)

「約20メートルのビニール製の倉庫ですが、金属製の骨組みは折れ原型が分からないほどに変形してしまっています」

掛川市中にある建材加工会社では資材を置くためのビニールの倉庫が飛ばされました。また、掛川市千浜では大型トレーラーが横転。男性運転手が軽傷を負いました。

現場近くの住民に話しを聞くと・・・

(近所の住民)

「雷が何回も落ちて上は真っ黒で。5時前後、それから雨が降り出して嵐のようになって小屋が倒れた。軽トラの上に500~600キロあるのでそうそうは倒れない。ちょうど当たったのが屋根だったので良かった」

掛川市満水にあるゴルフ練習場では支柱が9本倒壊。当時、およそ15人の客がいたということです。

(ゴルフ場の支配人)

「音は風のゴーという音だけで支柱が折れた音はしなかった。お客さんは中に避難していてけがはなかった」

記者)その時の様子は?

「皆さん、えーという感じで驚いていた。経験したことがない雨だと思う」

さらに・・・

(川口記者)

「こちらでは大量の太陽光パネルが風でめくりあがるような形で被害にあいました。また一部はほかのパネルの上に乗ったままとなっています」

御前崎市では太陽光発電施設2か所でパネルが飛ばされるなどの被害が確認されました。

気象庁は機動調査班を派遣し被害があった現場を写真に収めたり、住民らに突風が発生した時間帯の天候やどのような状況だったのかなどの聞き取りを行い、原因究明に乗り出しました。

(静岡地方気象台 上清直隆次長)

「聞き取り調査で伺った印象では東風が多かったということ。ひょうが降っていたという情報も何人かからいただいた。今のところ竜巻の目撃情報はない」

気象台は現地調査の結果、当時、発達した積乱雲が付近を通過したこと。また渦の目撃など「竜巻」を示す情報が確認されなかったことから今回の突風は積乱雲から冷たい空気が激しく吹きおろす「ダウンバースト」か「ダウンバースト」より空気の流れが広範囲におよぶ「ガストフロント」という現象ではないかと判断しています。

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