滑田系鬼剣舞、伝承誓い踊る 北上で全演目記念公演

「三人加護」を披露する滑田鬼剣舞保存会

 滑田(なめしだ)系鬼剣舞全演目記念公演(実行委主催)は8日、北上市上江釣子の江釣子地区交流センターで開かれた。滑田鬼剣舞が「風流踊(ふりゅうおどり)」として国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されたことを祝い、伝承を誓った。

 飯豊、二子、黒岩など市内の6保存会の中学生から70代までの約90人が出演。先祖供養の回向(えこう)念仏を唱えた後、はやしに合わせて基本の「一番庭」など全18演目を力強く披露した。

 1901(明治34)年に岩崎鬼剣舞から秘伝書を伝授された滑田鬼剣舞は、神楽系の「三人加護」や「狐剣舞」を守る。1人で演舞する「八人加護のくずし」も特徴で、初披露した同市口内町の会社員菅野裕貴さん(19)は「正確に踊り、後世につなげたい。拍手は伝承の励みになる」と気合を入れた。

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