「対立しやすいチーム」「分裂的なクラブ」ムバッペ、インタビューでの発言が物議…クラブ批判だと選手たちが訴える事態に

[写真:Getty Images]

パリ・サンジェルマン(PSG)のフランス代表FWキリアン・ムバッペの発言が物議を醸している。

2022-23シーズンはリーグ・アンを制覇。11度目のリーグ優勝を果たしたPSGだったが、クラブ悲願のチャンピオンズリーグ(CL)はラウンド16で敗退。満足できないシーズンを結局送ってしまった。

その影響もあり、今夏はクリストフ・ガルティエ監督が1年で退任。さらに、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ、元スペイン代表DFセルヒオ・ラモスが2年で退団。その他にも、選手の入れ替えが多く指摘され、このところは新加入選手を続々と発表している。

シーズン中には、ファンと選手が対立。メッシにはブーイングが送られたほか、ブラジル代表FWネイマールには自宅に押しかけてまで退団を要求するなど加熱。ムバッペも、自身のインタビューが勝手に新シーズンのチケットのPRに使用された古語に明確な不快感を示しているなど、ゴタゴタが続いていた。

そんな中、ムバッペの契約問題にも波乱が。チームが発表していた2025年夏までの契約は1年が延長オプションだったことが発覚。残り1年でフリーになることもあり、PSGは契約延長に動いたが、ムバッペは今夏延長する気がないと明言。一方で、移籍する気もなく、1年間PSGでプレーして考えると語ったことで、クラブはフリーにさせないために売却に動くなど、再び軋轢が生まれていた。

その中で『フランス・フットボール』のインタビューにムバッペが応じ、フランス代表やPSGでのシーズンを振り返った中、ある発言が大きな問題に。ムバッペは大きな結果を残しているにも関わらず、その活躍が普通に感じられ、「矮小化」していっているとコメント。その流れで、PSGについて語った発言が問題視されている。

「PSGでプレーすることは、あまり意味がない。なぜなら、PSGは対立しやすいチームであり、分裂的なクラブだからだ」

「もちろん、それは悪い噂を呼び込むことになるけど、僕は自分が何をしているのか、どうしているかを理解しているから、気にしていない」

自身が所属するクラブに対し、クラブとして1つになれていないとも取れる発言。これには、選手たちからクラブ側へ抗議が寄せられたとも報じられている。

ただ、この一体感のなさがPSGがCLで優勝できない要因とも見られている。ムバッペはインタビューでCLで優勝できないことにも言及。「PSGに何が欠けているのかはわからないけど、それは僕にとってはそれほど大きな問題ではない」と語り、「僕たちはできる限りのことをした。それは当然だ。チームを構成し、組織し、作り上げている人たちと話さなければいけない」と、そもそものチーム作りの問題もあると指摘していた。

PSGはムバッペの売却に関しては、継続して動きを辞めない方向とのこと。その中で、チームに残ってどのようなパフォーマンスを見せるのか。また1つ、クラブとして大きな課題を抱えることになりそうだ。

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