長崎県内の虐待相談、最多1084件 2022年度速報値 心理的虐待が増加傾向

児童虐待の相談対応件数などの報告があった会合=県庁

 虐待を受けている児童などの早期発見や保護、支援に取り組む「長崎県要保護児童対策地域協議会」の会合が10日、県庁であった。県は長崎、佐世保両市に設置している「こども・女性・障害者支援センター」で2022年度に対応した虐待相談が1084件(速報値)で、過去最多となる見込みと明らかにした。
 県によると、相談件数は19年1053件、20年1018件、21年974件と千件前後で推移。内訳として、子どもの前で家族に暴力を振るうなどの心理的虐待が最も多く、22年度も同様の傾向という。速報値は今後、内容を整理した上で正式に公表する予定。
 委員は相談件数増の背景や内容などについて質問。県は心理的虐待が増加傾向にあるとする一方、児童相談所全国共通ダイヤル「189」の普及などで通告が増えているとして、「件数増が一概に悪いこととは言えない」と説明した。
 県はこのほか、22年度実施した教育現場におけるヤングケアラーの実態調査の結果を報告。県内全小中高校の児童・生徒約11万人のうち、ヤングケアラーに関する質問に該当したのは329人。うち学校が外部機関への相談が必要と判断したのは59人だった。

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