島原のボーイスカウト団の高校生2人 チャレンジカップで大賞 ハワイアンイベントで地域活性

チャレンジカップで大賞に選ばれた宮崎さん(左)と谷口さん=島原市役所

 コロナ禍の中、長崎県島原市でハワイをテーマにした地域活性化イベントを開き、海洋ごみ問題を啓発したボーイスカウト島原第1団の高校生チーム「Kukuna(ククナ)&Nanako(ナナコ)」が、チャレンジカップ2023高校生部門の大賞を獲得した。
 同カップはFCEエデュケーション社主催。全国の小中高校生が目標に挑戦しどれだけ成長できたかを競う。
 Kukunaは創成館高3年の宮崎日和(ひより)さん(17)=南島原市=、Nanakoは島原農業高2年の谷口菜々子さん(16)=島原市=。2人は、ボーイスカウトのプロジェクト活動の一環で2月23日に「ハワイアンイベントINしまばら」を島原市中心部アーケードで開き、200人以上を集客。ハワイに関する飲食物販売や寄付により約2万円の義援金をトルコ・シリア地震の被災地に贈った。
 創成館高で昨年12月に行くはずだったハワイへの修学旅行がコロナ禍で沖縄に変更となったことが、契機となった。同校の宮崎さんが「地元でハワイアンな気分になれるイベントを開催する」と目標を掲げ、ハワイでも問題となっている海洋ごみに関心のある谷口さんと企画した。
 学校も暮らす自治体も違う2人は、オンライン会議で企画を練り、家族や地域住民の応援を受けてロコモコ丼の出店やフラダンスステージなどを実現した。会場探しに苦慮した際は商店街役員に熱意を伝え、アーケード内のホールを借りることができた。会場には、海洋プラスチックごみをリメークしたキーホルダーや、島原の海岸に漂着した海洋ごみも展示した。
 チャレンジの甲子園とも呼ばれる大会。「アクシデントに見舞われてもあきらめずに最後までやり遂げた」「多くの地元の方々と協力しシナジーを創り出した」と評価を受け、高校生部門1706組計2532人の頂点に立った。
 島原市役所で6月26日に報告会があり、宮崎さんは「たくさんの人に助けられて開催できた。これからも人との関わりを大切に生きていきたい」、谷口さんは「みんなに笑顔を与えられる人間になりたい」。経験を踏まえて未来を見据えた。


© 株式会社長崎新聞社