平和宣言で「核抑止論」を否定へ 広島「原爆の日」に松井市長 被爆者のG7サミット批判を念頭に

広島市の松井市長はG7広島サミットでの議論を念頭に、8月6日の平和記念式典に読み上げる平和宣言で「核抑止論」を否定する考えを示しました。

広島市は平和宣言の内容について被爆者や学識経験者から意見を聞く懇談会の最終会合を開きました。

その冒頭で松井市長は5月のG7サミットで初めて核軍縮について出された独立首脳文書「広島ビジョン」を巡って被爆者団体などが「核抑止論を肯定している」と批判していることに触れ、次のように述べました。

広島市 松井一実市長「核抑止論を超えた為政者の対応を求めるためにも『ヒロシマの心』を発信し続けることが重要であると考えています」

この後の非公開での話し合いで、松井市長は平和宣言の文案を示し、出席者からおおむね賛同を得られたということです。懇談会の終了後、松井市長は報道陣に対し平和宣言の中で「核抑止論」を否定する考えを示しました。

広島市 松井一実市長「(広島)ビジョンの紹介をした上で、現に核による威嚇を行う為政者がいるということは、核抑止論がもは成り立たなくなっているということでしょと、私がコメントを加えるという展開になってます」

また、松井市長は、各国首脳を原爆慰霊碑へ案内した際に「慰霊碑の碑文は憎しみをこえて世界平和を祈る”ヒロシマの心”」と説明したことについても、平和宣言に盛り込むことにしています。

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